羽生結弦「謙信公の価値観似ている。戦いに向かう芯が見えたら」【一問一答】

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(26日、ビッグハット)

 男子は羽生結弦(26)=ANA=がフリーで215・83点を出して前日のショートプログラム(SP)に続いて1位となり、合計319・36点で5年ぶりの優勝を果たした。2020年は新型コロナウイルス感染防止対策を講じ、会場の収容人員の半分を上限に観客を入れて開催された。

 ◇  ◇

 -演技を振り返って。

 「まずちゃんと客観視しながら、練習してきたことを信じて、自分の体の感覚を信じてやれたのが大きいと思います。なにより昨日(SP)は、初戦で力が入り過ぎたところがあった。昨日それを感じられてよかったなと」

 -4回転ジャンプで高い加点。

 「まずループジャンプで流れを出すのは、すごく難しいんですけど、それでも流れを殺さず、きれいに加点が付くジャンプが跳べたのはすごくよかった。サルコーとトーループは、自信をもってやっているジャンプですし、長年一緒にやってくれているジャンプたちなので、自信をもってやりました」

 -どんな気持ちでこのプログラムを滑った。

 「自分自身、このプログラムに凄く思い入れがある。この曲の背景には上杉謙信公がいらっしゃるんですけど、とにかく僕自身、競技することはやっぱり好きだし、戦うということの中からの楽しみとか刺激が、すごくたまらないものになっている」

 「ただ、その中でも僕自身が戦っても勝てなくなってきたり。自分自身、去年のシーズンで全日本やGPファイナルのことがあり、自分が成長してないんじゃないかとか、戦えなくなっているんじゃないかとか、そういう思いがあって、戦うの疲れたなという苦悩にかられたりした。上杉謙信公の中にある戦い方の美学、犠牲があることへの葛藤、そういうことから最終的に出家されているんだと思う。悟りの境地までいった価値観が、ちょっと似ているのかなと、リンクさせながら踊らせていただいた。この世の中、戦わなきゃいけないことがたくさんありますけど、なにかみなさんの中に、戦いに向かっていく芯みたいなものが見えたらよかったなと思います」

 -振り付けのこだわりは。

 「全部です」

 -世界選手権に向けて。

 「まあ、世界選手権やれればなんですけどね。もちろん、とにかくなによりも世界が平穏に戻って、僕自身も平穏な暮らしがしたいなというのが、今の率直な思いです」

 -最後に。

 「世の中は今、暗いトンネルの中かもしれないですけど、絶対にいつかは光が差すと思うので、そういったものをちょっとでも自分の演技から、また言葉たちから感じていただければと思います」

 -北京五輪については。

 「率直に言っちゃうと、東京五輪できてない今の状況で、僕個人の思いとしては冬の五輪考えている場合じゃないっていうのが個人の意見です。最終目標であるオリンピックを考えてはいけないというリミッターがかかっている。だから、僕が出る出ない、現役続けるか続けないとかそういう感じじゃなくて、そもそもシャットダウンしているイメージの方が強いです」

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