羽生結弦 コロナ禍の中で出場決断「葛藤はありました」も「僕自身の希望を繋ぐため」

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日開幕、ビッグハット)

 ソチ、平昌五輪2連覇の羽生結弦(26)=ANA=が24日、25日のショートプログラム(SP)を前に公式練習を行い、オンラインでの取材に応じた。

 羽生が公の場で銀盤に姿を見せるのは、2月の四大陸選手権(ソウル)のフリー、エキシビション以来319日ぶり。公式練習を終え「久しぶりに複数でリンクに乗ったので、ある意味新鮮でした。僕にとっては久しぶりのことだったので、楽しかった」と、笑顔で振り返った。

 ただ、悩みに悩んだ末の出場だ。新型コロナウイルスの感染拡大により、ぜんそくを抱える自身への健康面のリスクや、移動による周囲の感染リスクを考慮し、今季はGPシリーズを欠場した。「私が動くことによって、多くの人が移動し集まる可能性があり、その結果として感染リスクが高まる可能性もある」と、自らの立ち位置、そして周囲への影響を考えた羽生らしい決断だった。それでも今回は出場を決めた。「考えは変化していないです。はっきり言ってしまえば、自分の個人の考えとしては、やっぱりなるべく感染に繋がるような行動はしたくない。で、現状、全日本が近づくにつれて、どんどんいわゆる第3波と言われる波が近づいている状況で、僕が出ていいのかという葛藤はありました」と明かした上で、決断に至った理由を口にした。「どうしても世界選手権に向け、選考会としてこの大会を必須として出ないといけない。僕自身の希望を繋ぐために出させてもらいました」。今大会は22年北京五輪の国別出場枠の懸かる来年3月の世界選手権(スウェーデン、ストックホルム)の最終選考会。未来を繋ぐために、銀盤に戻る決意を固めた。

 直前の公式練習で、羽生は白のANAジャージー姿でリンクサイドに姿を見せると、マスクをつけたままリンクイン。スケーティングを開始し、約1分後にマスクを外した。ドリンクを口に含むと、軽快に体を動かした。コーチは不在。リンクサイドからは、お馴染みのくまのプーさんが練習を見守った。

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