福島千里は日本選手権出場絶望的に 12秒切れず…「選手として駄目」

 「陸上・北麓ワールドトライアル」(6日、富士北麓公園陸上競技場)

 女子100メートルが行われ、日本記録保持者の福島千里(32)=セイコー=は、ウォームアップレースで12秒31(向かい風0・1メートル)、決勝でも12秒27(追い風1・3メートル)と振るわなかった。

 11秒21の日本記録を持つかつての絶対女王が苦しんでいる。今季は初戦だった7月の東京選手権での12秒56を皮切りに、一度も12秒を切れていない。目標としている10月の日本選手権参加標準記録の11秒80も遠く及ばず、ゴール後は思いをかみしめるようにフィールドを見つめた。

 今大会がこれまで100、200メートルとも8度の優勝を誇る日本選手権に向けた最後の大会と位置付けており、出場は絶望的に。「結果として駄目だったなと。実業団の選手として、日本一を決める大会の土俵にも上がれない。ちょっと考えられない。駄目ですよね。普通に考えて。選手として駄目」と、涙ぐむ場面もあった。

 昨年負った両アキレス腱痛の影響は否定。「シーズンが終わったわけじゃないし、東京五輪がなくなったわけじゃない。サポートしてくれる人達と相談して、最善を尽くしたい」と、必死に前を向いた。

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