地獄を味わった“美少女ランナー”「消えた天才」で近況と新たな夢明かす

 絹川愛さん=2008年撮影
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 陸上女子1万メートルで2007、11年世界選手権代表の絹川愛さん(29)が18日、TBS系「消えた天才」に出演。仙台育英高時代に彗星のごとく現れ、期待されたものの、五輪を一度も経験することなく表舞台から消えた競技人生と近況を明かした。

 絹川さんは仙台育英高1年時の2005年、全国高校駅伝の2区で12人抜きを演じ、「天才美少女ランナー現る」と騒がれた。3年時には1万メートルで世界選手権大阪大会に出場と順調に記録を伸ばす。将来的にはマラソンでの五輪メダルを期待された。

 しかし08年にミズノに入社後、異変が起こる。練習中に突然立ちくらみを起こし、睡眠時にも全身が痛み、目まいが続く。精密検査を受けると、日本にはない原因不明のウイルスに体が冒されていると診断された。海外合宿で感染したと結論付けられた。

 マラソン挑戦どころか、走ることもできない「地獄の日々」が2年間ほど続いた。劇的な復活を果たしたのは11年のこと。きっかけは東日本大震災だった。母校・仙台育英も被害を受けた震災を目の当たりにし、「自分が悩んでいることなど、被災者と比べたら全然」と気持ちを奮い立たせた。

 同年6月の日本選手権5千メートルでは、ブランクを感じさせない気迫のレースで復活優勝。同年の世界選手権大邱大会出場権を獲得した。

 15年にミズノを退社後、主要大会に出場していない絹川さんは自身の近況も紹介。現在は歌舞伎町近辺のビル内で行われている体験型イベント「リアル脱出ゲーム」の司会をしていると明かした。

 その上で新たな夢があるという。それは一度も走ることがなかったマラソンへの挑戦。「なんだかんだ言ってマラソンが好き。マラソンを走って、陸上人生のラストランにしたい」と夢を語った。

 番組に出演していた青学大陸上部・長距離ブロックの原晋監督はこれを聞くと、「彼女はまだ29歳。2020東京五輪で復活があるかもしれない。指導したい!」と身を乗り出した。

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