大栄翔が白鵬撃破!19年九州場所以来2度目 三役で初の勝ち越しに王手かける

 「大相撲7月場所・11日目」(29日、両国国技館)

 返り三役の小結大栄翔が全勝だった横綱白鵬に土を付けた。自慢の突き押しで攻め抜き、19年九州場所に続く撃破で殊勲。7勝目(4敗)を挙げ三役初の勝ち越しに王手をかけた。白鵬は初黒星で初日からの連勝が10で止まった。前日初黒星の新大関朝乃山は輝を寄り切って2桁10勝目。14場所ぶり幕内復帰の照ノ富士も6連勝で1敗を守り、3人がトップで並んだ。

 「うぉーっ」。今場所一番の“歓声”が館内に響いた。大栄翔の気迫あふれる殊勲星。新型コロナ感染予防のため声援は禁止だが多数の観客の口から思わず心の声が漏れ出た。

 独走態勢の白鵬を止めた。立ち合い、自慢の突き押しを全開に出た。押し戻されると左からいなし一撃。後ろ向きにさせて最後はトドメの押し。土俵を割り悔しげな横綱から肩を突き飛ばされた。

 勝利インタビュー室では興奮。「体が勝手に動いた。自信になる。気合を入れていく。自分の中でも手応えがある」とうなずいた。

 白鵬から初金星を挙げた19年九州場所以来、2度目の撃破。「横綱とする時は毎回、緊張。自分の力を出し切れた。うれしい」と結びでの勝利は格別だ。

 昨年春場所から先場所まで横綱、大関上位総当たりとなる番付で戦う。計7場所で8勝7敗が4度、7勝8敗が3度。派手さはないが着実に地力を付け、三役で初の勝ち越しにあと1勝とした。

 同学年の新大関朝乃山、幕内豊山らに話題では先を越されていたが実力はホンモノ。部屋には遠藤を筆頭に関取が自身を含め7人。場所前、出稽古禁止でも稽古量は豊富にこなした。「(部屋の環境に)恵まれた」とうなずいた。

 中学時代は園芸部に所属。キュウリ、ナス、ゴーヤーなどを育てて食べた。実になるまで時間はかかるが「自分で育て食べる」のが一番の魅力。土を耕し、水や肥料をやり、地道に育ってきたのが大栄翔。「最後まで気を抜かずに頑張る」。終盤のV戦線を盛り上げた26歳。間違いなく大関候補だ。

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