柔道・素根、金で五輪1号 延長戦大内刈りで完勝!満場一致で五輪切符

 「柔道・グランドスラム大阪大会」(24日、丸善インテックアリーナ大阪)

 東京五輪代表選考会を兼ねて行われ、女子78キロ超級決勝は世界女王の素根輝(19)=環太平洋大=がロンドン五輪女王のイダリス・オルティス(キューバ)に延長戦の末5分53秒、大内刈りで技ありを奪い優勢勝ちを果たした。今年の世界選手権に続いて優勝したことで全日本柔道連盟は強化委員会を開き、全会一致で素根を東京五輪代表に内定。柔道の五輪切符第1号となった。

 素根が東京五輪代表第1号を決めた。幼少期からポーカーフェース。ましてや勝って泣いたことなどほとんどない19歳が、勝ち名乗りを受ける前から感極まった。

 「今回東京五輪を決めることを目標にやってきたので、優勝できてうれしいです」

 今年の世界選手権決勝と同じ顔合わせとなった決勝戦。元五輪女王の老かいな組み手に負けずに応戦し、逆に最後はフェイントを掛けてからの大内刈りで転がした。前回は反則勝ちだったが、しっかり投げ切って完勝。満場一致で五輪切符を勝ち取り、「決まるまでは落ちるかなと思ったが、ホッとした」と頬を緩めた。

 家族の影響で7歳から柔道を始めた。中学時代に初めて国際大会に出場し「世界で一番になりたい」と強く心に決めた。学校の練習から帰宅後も、父が自宅近くにつくった練習場で深夜までトレーニングを積み、空き時間はスマホで柔道の動画をチェック。柔道漬けの日々を送ってきた。

 リオ五輪後の16年に頭角を現したが、立ちはだかったのが175センチ、135キロの18年世界女王・朝比奈沙羅(パーク24)。162センチ、110キロの素根は体格に劣るため、大きな相手に打ち勝つための組み手や足技、担ぎ技を磨いた。直接対決で3連敗したが、着実に課題を克服しながら5連勝。序列を逆転させ、この日につなげた。

 かつて「若い芽は摘む」と挑発されたこともあったが、ライバルの存在が素根を強くした。「朝比奈さんを倒さないと五輪は絶対なかった。勝てるように追いかけていたので、朝比奈さんがいたから自分もここまで強くなれた」。3年間の道程を振り返ると、自然と目頭が熱くなった。

 日本勢としては04年アテネ五輪の塚田真希以来遠ざかっている金メダルに向けて、「絶対に優勝したいです」。世界で活躍して輝いてほしいと名付けられた“輝”という名前に一番似合う色を獲りに行く。

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