荒磯親方 高安を圧倒 三番稽古で20勝1敗 弟弟子の令和Vへ体張る

 1月の初場所で引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方(32)=田子ノ浦=が2日、弟弟子の大関高安(29)と都内の部屋で三番稽古(同じ相手と何番も取る)を行い、20勝1敗と圧倒した。力強い左四つ、腰の重さ、スタミナは現役バリバリの大関をあ然とさせた。現役同様に肉体を仕上げており、本番まで何番でも歓迎。初優勝&令和初の横綱へと引っ張り上げるため、弟弟子を全力で鍛え上げる。

 荒磯親方が馬力自慢の現役バリバリ大関をねじ伏せてしまった。立ち合いの当たりも真っ向で受け止め、左四つがっぷり。寄られてもドッシリ動かない。相手の攻めを受け切って何度も寄り切った。

 さらに右前ミツを素早く引き、一気の寄り。現役時代以上にスキのない型に見えた。6連勝して1敗後、最後は14連勝締め。現役時でも高安が大関昇進後、ここまで圧倒した稽古はなかった。

 長い春巡業を終え高安に疲労が残るのはある。それでも手は一切抜かなかった。分厚い胸板、張った下半身は稽古相手を務めるため仕上げてきた証し。「巡業も全力で来る力士はそういないから。自分くらいはと思って、思い切っていこうと出し切って」。弟弟子への愛だった。

 高安は「当たる稽古はできた」と相撲を取る稽古の再開初日としては納得。一方で現役引退して4カ月の相手にあまりの勝敗差には脱帽しかない。「左四つは天下一品。勝てない自分もおかしいけど」と自虐の口ぶり。「やってる中では一番、腰が重い。(親方に)毎回勝ち越せるようになれば本場所でも負けない。胸を貸してくれて幸せ。期待に応えるように精進。番数がすべて。あしたもできるだけやる」と恩返しを誓った。

 平成最後の横綱が令和初の横綱昇進を願い、弟弟子に魂のバトン。全力で“荒磯の壁”となることが一番の援護になる。「体は準備できている。あしたからもやる」と、いつでも何番でも高安のため、肉体を捧げる。

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