高山、プロは「マラソン」アマは「短距離走」 初のアマ代表候補合宿
プロボクシングの元世界4団体制覇王者で、2020年東京五輪を目指す高山勝成(35)=名古屋産大=が、1日から味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で初めてアマチュアの日本代表候補合宿に臨む。3分12ラウンドのプロと3ラウンドのアマ。「マラソンと短距離走ほど違う」と言う高山の新機軸に迫った。
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-当初はアジア選手権(4月・バンコク)の代表選考会がアマ初戦の予定だったが、同選手権が五輪階級で行われないため選考会が中止となった。
「試合が延びる分には全然問題はありません。ワールドチャレンジ(2010年から当時日本ボクシングコミッション未公認だったIBF、WBO王座を目指して海外を転戦していた時期)では、南アフリカでIBF王座に挑戦する時に1年待たされて7、8回は試合が流れたので」
-気持ちのつくり方が難しくないか。
「(延びた)2、3試合分のエネルギーを次に出せばいいと考えてやっていた。フィリピンを拠点にしていた時、現地のボクサーは(6階級制覇王者)マニー・パッキャオのようなアメリカンドリームを夢見て常に80~90%のコンディションを保っていた。いつ代役で世界挑戦のチャンスが来るかわからない。そういう姿勢を学ぶことができた」
-プロとアマは全く違うと言われる。
「今まで国内外で多く試合をしてきたけど、今度は舞台が違う。マラソンと短距離走、サッカーとフットサル…わかりやすく言うとそれほど違う」
-プロではミニマム級(47・6キロ)だったが、アマではフライ級(52キロ)に。
「約4・5キロもアップしたのでコンディションはいい」
-年齢的なものは。
「疲労の面だけ。でも今の階級は自分にすごく合っている」
-フライ級には3階級制覇王者の田中恒成の兄、田中亮明(中京学院大中京高教)、プロ転向前の井上尚弥としのぎを削った柏崎刀翔(福井南特別支援学校)ら強豪がそろう。
「その輪に入れるのは楽しみ。昨年の全日本選手権フライ級決勝の田中選手と柏崎選手は映像で見た」
-スタイルは変わるのか。
「まず、これまでより10センチほど大きい相手と戦うことになる。この10年以上、10回から12回で戦ってきたけど、今度は3分3回。1回のゴングとともに激しい戦いになる。12回を戦ったスタミナと集中力を3分3回に凝縮しないといけない。相手をよく見て一瞬の状況判断が必要。プロなら1、2回は相手のパンチの軌道や強さを見てセコンドと相談して、中盤以降に戦略を変えることができるけど、アマではそれをするとポイントアウトで負けてしまう。ゴングと同時にどうするべきか判断して戦わないと、迷いは厳禁。戦い方が全然違ってくる」
-相手の技術も違ってくる。
「アマは基本がしっかりしている。ワイルドに振らずにストレート系を最短距離、しかもノーモーションで矢継ぎ早に振ってくる。一層防御が重要となる。また、プロではダウンを宣告されないようなパンチ、効いてなくてもあごをはね上げられるなどするとスタンディングダウンを取られることがあるので気をつけないと」
-トレーニングの仕方は変わったのか。
「プロでは精神的に持ちこたえるために追い込むための走り込みをするが、今回は短い戦いなので、走り込みやジムワークに加えてダッシュ系もやっている。瞬発力がより必要となるので」
-アマのトップ選手には“打倒高山”の思いもあるだろう。
「もしそうなら、ありがたい。国内でそういう厳しい試合に勝った上で五輪の舞台で戦うべきだと思う」
-アマの一員として初めて合宿に臨む。
「アマトップのトレーニングや考え方、練習への取り組み方を発見できれば」
-実戦感覚も磨いていかなくては。
「強豪の大学や社会人の方と実戦形式の練習ができればと考えている。ただ、アマは何度も同じ相手と戦いある程度互いに手の内を知っているけど、プロでは再戦があまりない。(手の内を見せることに)違和感があるのはプロとの違いかも」
-五輪への思いは。
「ボクシングは両国国技館ですね。(世界戦へ)観客として行ったことはあるけどリングに上がったことはないので、気持ちが上がる。頑張ろう!という気持ちになります」



