競歩の谷井孝行、引退レースは「ブサイクな顔で」歯を食いしばってゴール目指す

 今夏のドーハ世界陸上代表選考会を兼ねた日本選手権20キロ競歩(17日、神戸市六甲アイランド甲南大周辺コース)の前日会見が16日、神戸市内で行われ、出場選手が抱負を語った。本年度限りで現役引退を表明している五輪4大会、世界陸上6大会出場の谷井孝行(35)=自衛隊=は、ラストレースを前に「故障もなく順調で、たまに自分が引退するのかわからなくなる」と笑顔で心境を語り、「自己ベストを目指して最後の最後まで全力を尽くして頑張る」と目標を掲げた。

 15年世界選手権の50キロ競歩で3位に入り、五輪を含めて日本競歩界で初めてメダルを獲得。同時代の選手をけん引してきた谷井は、引退を決めた理由を「(今年が)東京五輪を目指すか目指さないかを決める年だと思っていた。中途半端に競技はしたくない。(はっきりと気持ちを)決められない状況で東京まで続けても、東京後の自分の人生にマイナスになると思った」と明かした。

 「リオで絶対にメダルを獲るとすべてをかけて、獲れなかったのが大きかった」。50キロで14位に終わったリオから再び気持ちを奮い立たせることはできなかった。それでも、まだ「本当にやめるのかなという気持ち」と言い、後輩たちからも「本当はやめないんでしょ?まだ歩くでしょ?と言われる」と苦笑いする。一方で「次にやることへの楽しみもある。指導者としての楽しみ」と、次の夢である後進の指導へ情熱を燃やす。

 最後のレースも「引退だから遅いタイムでいいとは一切考えない」と言い、「ゴールテープを切るまで歯を食いしばり、ブサイクな顔で全力でゴールする」と宣言。16年リオ五輪20キロ競歩7位の松永大介(23)=富士通、今大会4連覇中の高橋英輝(26)=富士通=ら東京を目指す若い選手に、最後の歩きで生きざまを見せる。

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