水谷隼、全日本選手権に「名前変えて出たい」代表引退後に再出撃プランも

 1月に行われた卓球の全日本選手権で前人未到の10度目制覇を果たした水谷隼(29)が7日、所属する木下グループへの報告会を都内の本社で行った。V10を節目に全日本選手権からの引退を表明しているが、「名前を変えて出てみたい」と“再挑戦”の可能性をぶち上げた。

 卓球界の「ミスター全日本」による衝撃の卒業宣言から18日。17歳で初優勝を飾ってから13年連続で決勝に進出してきたが、長年、年末年始は全日本選手権のために身も心も削る生活を続けてきたため、「毎年苦しかった。これから先も同じように努力し続けていくのは厳しいと感じた。この先、全日本に出ようという気持ちはない」と率直な思いをあらためて語った。

 ただ、将来的な再出陣の可能性について聞かれると、「来年、再来年は出ないが、その先は絶対(出ない)とは言い切れない」と含みを持たせた。

 「自分が日本代表を退いてプロでもなくなった後は、一卓球ファンとして全日本にも出られたらいいな、くらいの気持ち」。頂点を狙うトップ選手としてではなく、第一線を退いたセカンドキャリアとしてのプランを明かし、「でも優勝とかは狙っていない。予選から出て、楽しく試合に出られるのであれば全日本に出てみたい」と心境を明かした。

 しかし、仮に再び出場するとしても「V10王者・水谷隼」として出場する気はないという。「できれば名前を変えて出たいですね。違う選手として。10回勝った選手としてじゃなくて、ゼロから出たい。みんな(優勝を)期待するじゃないですか。そう思われるなら出たくない」と語った。

 プロレス界では「リバプールの風」になったはずの選手が正体不明のマスクマンとして生まれ変わる例もあるが、「名前を変えて出られるなら出たいです。名前の案?何かいいの考えてください(笑)」と、いたずらっぽく笑った。

 現在は既に、12月末までの東京五輪代表レースに気持ちを切り替えている。現在世界ランクは日本勢3番手(上位2名が五輪シングルス代表)の10位と厳しい立場だが、「(レースは)これから始まるので、ここから自分を鍛えていく。まだまだ世界で勝てると思っているし、自分が(代表を)勝ち取りたい気持ちが強い」と闘志を燃やした。

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