劇的有終Vのフェルナンデス 重圧なんの「ユヅルの後に滑ったこともあるから」

 「フィギュアスケート・欧州選手権」(26日、ベラルーシ・ミンスク)

 男子フリーが行われ、今大会を最後に現役を引退する元世界王者で、平昌五輪銅メダリストのハビエル・フェルナンデス(27)=スペイン=は、フリー1位の179・75点をマークし、合計271・59点でSP3位から逆転優勝。現役“ラストダンス”で、欧州7連覇を達成し、有終の美を飾った。

 現役最後の演技。ラストダンスに選んだのは平昌五輪でも舞った「ラ・マンチャの男」。冒頭の4回転トーループ-3回転トーループの連続ジャンプは乱れたものの、続く代名詞の4回転サルコーを完ぺきに決め、流れをつかんだ。その後はミスはあったものの、母国由来の思い入れのあるプログラムを雄々しく舞ってみせた。

 記者会見では「ここにこられて、うれしい。キャリアを終える寂しさはあるけど、今日までスケートができたことを誇りに思う」と、すがすがしい表情を浮かべた。直前で2位に入ったサマリンが完ぺきな演技を見せ、会場が沸いた状況だったが「すごい滑りだったし、(歓声は)聞こえていた。リンクがエネルギーに満ちていた。でも僕にはたくさんの経験がある。ユヅル・ハニュウの後に滑ったこともあるから。勉強になるよ」と、笑った。

 演技後は万感の笑顔を浮かべ、リンクを出る時には、長く氷に触れ、別れを告げた。出迎えたブライアン・オーサーコーチとがっちり抱き合った。大会前にはカナダ、トロントで、長らく指導を受けてきたオーサーコーチのもとで最後の練習を行い、リンクメイトとして切磋琢磨してきた盟友の羽生結弦とも再会していた。羽生からは五輪スポーツを報じる「Olympic Channel」に掲載された動画を通じて、日本語で「頑張って、ハビ!」と話し、最後にスペイン語で「バモス!(いけ!)」とエールを送られていた。

 盟友の思いに応える魂の演技を披露し、欧州7連覇を達成。長らく氷上を彩ってきた個性派スケーターが、最高の形で銀盤を去った。

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