体操に新星、三輪哲平が白井に次ぐ2位 「東京五輪の4人に入ってくる」と強化本部長
「体操・個人総合スーパーファイナル」(23日・高崎アリーナ)
来年のW杯大会の出場権を懸けた新設大会が行われ、高校3年生で、高校総体覇者の三輪哲平(17)=大阪・清風高=が、6種目合計84・132点で2位に入った。白井健三(22)=日体大=は、3週間前のドーハ世界選手権では中国製の器具に苦しんだ得意の床で、全体トップの15・333点をマークするなど、力強い演技を並べ、85・497点で初代王者に輝いた。世界選手権代表の萱和磨(22)=順大=は3位だった。ユース五輪5冠の北園丈琉(16)=清風高=は8位だった。
3週間前のドーハ世界選手権で11年ぶりの金メダルなし。黄金時代終えんへの暗雲が立ちこめた体操ニッポンに、新たな光が射し込んだ。強化推薦での出場となった高校3年生の三輪が、得意の跳馬、平行棒で14点中盤の得点を並べ、世界選手権代表の萱を抑え、優勝した白井に肉薄する2位。若き才能が輝きを放った。
「東京五輪に向けて、少しずつ階段を上る過程で、すごくいい結果を得られた」。
東京に向けた“秘蔵っ子”といっていい存在だ。水鳥強化本部長は、今年から、東京五輪を狙える若い世代から特別強化選手を指定。その6人の中の1人が三輪だった。高校総体、国体を85点台のハイスコアで制した強さを見込み、今大会に推薦。水鳥強化本部長は「期待以上の結果。内村や白井のようにここぞで結果を出す選手だとすごく感じた。そういう選手はエースになってくる存在。東京五輪の(代表)4人に入ってくる存在」と、目尻を下げた。
静岡県静岡市出身で4歳で体操を始め、清風高に体操留学。今年の夏まで1回も、実家には帰らなかった。正月も元日から練習するストイックさを持つ。「自分には大事なものがあるので」。淡々と話す姿に、底知れぬ大物感が漂った。

