阿武松親方“貴の分まで”一肌脱ぐ 総帥から託されたバトンを継ぐ覚悟
日本相撲協会は2日、東京・両国国技館で1期2年の任期満了に伴う役員候補選挙を行い、5期連続の理事を目指した貴乃花親方(45)=元横綱=はわずか2票で落選した。
初の理事候補当選を果たした阿武松親方(56)=元関脇益荒雄=は、心なしか目頭を潤ませた。貴乃花一門を代表しての出馬で、8票を獲得しての当選に「投票していただいて、仕事をさせていただく可能性が出ました」と武者震いした。
同じく貴乃花一門から出た総帥の貴乃花親方は獲得票が2票にとどまり無念の落選。「大事な仲間であり友人です。投票していただくことが相撲協会の活力になると話しておりましたので、投票していただくことが大事だと信じてやらせていただいた」。一門の結束により無投票での改選に終わらせなかったことへの充実感と、貴乃花親方から託されたバトンを継ぐ覚悟を口にした。
これまでは巡業部などで実務を担当して実績を残し、3月からは公益法人のかじ取りをする理事に就任の段取り。「相撲ファンの皆さまに愛されるように、協会を活力ある組織にするために、微力ながら全力を尽くしたい」。現役時代「白いウルフ」のニックネームで人気を呼んだ男が協会再生へひと肌脱ぐ。