実現なら主観排除で透明性UP…残る問題点は?東京五輪マラソン代表選定新方式

 2020年東京五輪のマラソンに向け、日本陸上競技連盟が19年秋以降に開く選考大会で男女上位各2人を代表に決める新方式を導入する方向で調整していることが29日、分かった。残る1枠は19年秋から20年春までの国内指定大会で日本陸連の設定記録を突破した中で、最高のタイムを出した選手に決める。従来の、異なるレースの成績を比較する方式から大幅な転換となり、選考の透明化が期待できる。

 新たな選考方式が導入されれば、東京五輪には“最も勝負強い”2人と、“最も速い”1人が選出されることになる。これまでの物議を醸す選考の要因だった選定者の主観は排除され、透明性は格段に高まる。

 上位2人を選考する五輪代表選考会(仮)は、04年アテネ五輪から日本選手権での一発選考を導入し、五輪のメダル実績を残している競泳の方式に近く、言い訳無用の戦いになる。そして、もう1人は国内主要大会で陸連の設定記録をクリアした中で最も速いタイムを出した選手というのも単純明快だ。バランスのとれた人選となる可能性は高く、漏れた選手から不満が出ることもないだろう。

 ただ、まだ多くの問題をはらんでいるのも確かだ。五輪代表選考会が19年秋以降となれば、有力選手が同年10月開催予定のドーハ世界選手権をターゲットとすることは難しい。東京五輪と同じく猛暑が想定され、本番1年前の世界のレベルを体感できる絶好の機会を逃すことになる。

 また選手が代表選考会と、タイムの出やすい国内主要大会に集中する可能性も高い。これまで長くマラソンを支えてきた他の複数の選考会の主催者、スポンサーを納得させられるかも課題だ。陸連の覚悟が問われる挑戦となる。(デイリースポーツ五輪担当・大上謙吾)

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