広島・森下 FA権行使表明「評価を聞いてみたいというのが一番の気持ち」 残留か移籍か「今も悩んでいる」 ソフトバンクなど獲得調査
広島の森下暢仁投手(29)が4日、マツダスタジアムを訪れ、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使することを表明し、申請書類を提出した。カープで7年間プレーし、愛着を感じながら熟考を重ね決断した。宣言残留が認められており、会見では、移籍か残留かで揺れ動く胸中を明かした上で、今後の決断の決め手については、勝利への熱量などを挙げた。
スーツ姿で会見場の扉を開けた。森下はカメラの前に立つと「このたび、フリーエージェントの書面を、球団の方に提出させてもらいました」とあいさつした。決断に至った思いなどを言葉に変えた。
権利を行使した最大の要因は、自身の現在地を知り、選手としてさらなる高みを目指したいという純粋な思いだった。
「(他球団の)評価を聞いてみたいというのが、一番の気持ちです」
ドラフト1位で入団し、20年に新人王を受賞。通算157試合で60勝を挙げた。今季は7勝11敗で防御率3・60ながら、2ケタ勝利を3度記録した。毎年、先発陣の柱としてチームを支え続けてきた。
宣言残留を認められている。残留か、移籍かで「今も悩んでいる」と複雑な胸中を明かした。その上で、決断で重視する軸に挙げたのが、評価の熱量と成長できる環境だった。
「どれだけ評価してもらっているか、熱量が多いチームかというところは考えたい。あとは自分がどこで野球をやりたいのか、成長できる場所なのか」。選手として成長し続けたいという貪欲な姿勢が、一歩を踏み出す背中を押した。
加えて「やっぱり勝ちたいというところはある。その熱量だったり、チームの方針だったり。そういうのも聞けたら。カープでも勝ちたい気持ちはあるので、そういうとこも踏まえて」。勝利へのこだわりも強調し、判断の材料となることを明かした。
以前から公言していたメジャーについては「夢は持っていますし、そういう高いレベルで野球をやりたいと、常々思っている。そこも考えながら」と話した。
広島で7年間プレー。喜びも悔しさも力に変え腕を振り続けた。「本当にたくさんの応援をしてもらった。ファンの方々が支えてくださったからこそ今の自分があり、この権利を手にすることができた」と感謝した。
推定年俸は2億円で、人的と金銭の補償が必要なAランクとみられ、ソフトバンクやDeNAなど複数球団が獲得調査を進めているとされる。カープは条件提示を終えており、この日を含め一貫して残留を要請した。
「球団は7年間、自分を育ててくださいましたし。チームメートと、いい思い出も、悪い思い出も野球の中ではある。そういうところも自分の中で、引っかかるところもありますし、そういうところも踏まえて」
愛着と、プロとしての高みへの欲求のはざまで揺れる背番号18は、野球人生とじっくり向き合っていく。
◆森下 暢仁(もりした・まさと)1997年8月25日生まれ、大分県出身。29歳。181センチ、81キロ。右投げ右打ち。大分商-明大を経て、19年度ドラフト1位で広島入り。1年目の20年に10勝を挙げ新人王を獲得。22年にはゴールデングラブ賞を受賞。今季推定年俸は2億円。
