広島・育成3年目の杉原 覚醒の裏に三つの要因 ファームで防御率0・57!18戦連続0封 覚悟のシーズン「つぶれてもいい」

ブルペンで投球練習する杉原
軽快に打球を追う杉原
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 広島の育成3年目・杉原望来投手(20)がアピールを続けている。ファームでは主に中継ぎとして25試合に登板し、3勝1敗、防御率0・57をマーク(15日現在)。18試合連続無失点を記録するなど、進化した姿を示している。覚醒の裏にあった三つの要因に迫った。

 カープに入団して3年。大阪出身の杉原は20歳の若鯉らしく、まだまだ健在の関西弁で好調の理由を分析してくれた。「今年最後だと思って取り組んできたので、それが良い方向に出てくれているんだと思います」。ここまで主に中継ぎとして25試合に登板し、防御率は驚異の0・57。31回1/3で自責点はわずかに2と好投を続けている(15日現在)。

 さまざまな要素がかみ合って今季の飛躍につながっていると自己分析する。一つ目の要因は球速の大幅向上だ。技巧派左腕として入団し、変化球と制球力には自信があったものの課題は直球の球威。昨季までは最速143キロで平均は130キロ後半にとどまっており、「直球の怖さがないので追い込んでも粘られてしまう」と悩んでいた。

 転機は5月ごろに訪れた。野村2軍投手コーチから「リリース時にボールを押しつぶすように投げてみては」と助言を受け、そこからキャッチボールで感覚をつかんでいき、球速が大幅に上昇。8月22日のファーム・オリックス戦(ほっともっと)では自己最速を更新する148キロを計測。「直球が走っているんで変化球でも空振りが取れるようになってきた」と、自信を深めている。

 二つ目は試行錯誤の末に行き着いた肉体改造だ。入団当時は体が小さく、「なんでも食べてとにかく体重を増やそう」と増量に着手。昨年の春季キャンプでは人生最高体重となる86キロに到達したが「ただのデブでした」と苦笑いで振り返るように、単なる増量は球質や結果にはつながらず。そこから現在は約10キロの減量に成功。「今の体重がベスト」と力強さとしなやかさを両立した理想のボディーを確立した。

 三つ目はカットボールの習得だ。チェンジアップやカーブ、スライダーに加え、大瀬良や斉藤優らからアドバイスを受けて習得。ブルペンの半分をカットボールの練習に割くほど磨き上げ、「直球と見分けがつきにくそう」と手応えも十分。高速化させた直球と同軌道から変化する新球種で、打者を翻弄(ほんろう)している。

 今季が育成3年目。昨年の年末に実家へ帰省した際には両親に、「つぶれてもいい。それぐらいの気持ちでやるわ」と覚悟を示し、今シーズンを過ごしてきた。「マウンドに立てるならなんでもいいです。必要とされるところで投げるだけです」と杉原。負けず嫌いの若鯉の進化は始まったばかりだ。

 ◆杉原望来(すぎはら・みらい)2005年9月23日生まれ、20歳。大阪府岸和田市出身。175センチ、78キロ。左投げ左打ち、投手。京都国際を経て、23年度の育成ドラフト3位でカープに入団。背番号128。年俸350万円(推定)。

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