長野久義引退 広島も惜しむ 背番号5継承の小園「尊敬できる先輩」 弟分・末包は電話で会話「心のよりどころだった」
チョーさん、ありがとう-。巨人・長野久義外野手(40)が14日、現役引退を発表し、カープナインも惜別のメッセージを送った。長野は巨人にFA移籍した丸の人的補償としてカープに加入し、2019~22年まで在籍。当時チームメートだった末包昇大外野手(29)、小園海斗内野手(25)が感謝の思いとともに、ねぎらいの言葉を発信した。
4年という在籍期間でも“カープの長野久義”は鯉党の脳裏に今も色濃く焼き付いている。今年もマツダスタジアムで打席に立つと360度から歓声が送られるほどファンに愛され、後輩には慕われた元鯉戦士が巨人でユニホームを脱いだ。その決断を聞いたカープナインは惜しむ声を上げ、感謝の思いを口にした。
2022年に入団した末包は、長野とチームメートだったのは1年だけだったが関係性は深い。一昨年と昨年は長野と同じ型のバットを使用し、長野からも「球場で会うたびにバットを何本もいただいた」。昨年の2軍調整時には遠征先のナゴヤ球場にまでバットを「送ってくれた」と明かし、先輩の思いやりに感謝した。
この日も長野から電話がかかってきて「ありがとう」と伝えられた。寂しさと同時によみがえったのは一緒にプレーしていた時のこと。「あの人は絶対に否定しない。しんどくなった時に良い言葉を掛けてくれて、心のよりどころだった」と振り返った。
長野は18年オフにFAで巨人へ移籍した丸の人的補償として広島に移籍してきた。4年間で296試合に出場。リーグ3連覇に貢献した主軸・丸の流出に落胆していた鯉党は大物選手である長野の加入に大きく沸いた。
そんな長野と“同期入団”としてプレーしたのが小園だ。移籍組と高卒ドラ1という立場は違えど、同じ時期に広島にやってきた。「本当によく声をかけてもらったし、いろんなことを試合中でも試合以外でも教えていただいた。『同期』と言ってもらえて本当にうれしかった」と小園。「差し入れも『C様から』って書いてあったらチョーさんからだった。よくいいものを食べさせてもらった」と当時を思い返しながら笑顔を見せた。
長野は22年オフに巨人へ無償トレードで復帰。その後も巨人戦での試合前練習のたびに、カープナインが長野の前にあいさつの列をつくっていたのは、慕われていた何よりの証拠だろう。
小園は「野球人としても本当に尊敬できる先輩なので、そういうところを目指して僕も頑張りたい」と話し、末包は「どれだけ打っても満足してくれると思わないけど、お褒めの言葉をいただけるように頑張りたい」と気合。巨人のみならず、カープでも、長野の気配りや野球への姿勢は受け継がれていく。





