「残り全部勝つんじゃ」とカープの大御所が全勝指令?広島が巨人3連戦に先勝し、順位争いは佳境へ
「広島4-1巨人」(26日、マツダスタジアム)
広島・床田寛樹投手が今季6度目の完投勝利で9勝目を挙げ、チームの借金を9に減らした。阪神が独走するセ・リーグで、他球団の希望はもはや順位争い。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「まだ2位の可能性はある。広島は残り試合、全部勝つもりで戦ってほしい」とOBらしい猛烈なハッパをかけた。
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床田がお手本のような投球を見せたね。ストライク先行で常に有利なカウントを作ってから料理するという安定した内容だった。キャベッジには甘く入ったところを本塁打されたが、それ以外は安心して見ていられた。無四球も価値がある。
(先発した床田は八回二死後、代打のキャベッジに初球、浮いた変化球を左翼席へ運ばれたが、救援を頼むことなく最後まで1人で投げ抜いた)
キャベッジへの初球が浮いたのは反省点。完全に失投だった。外国人、しかも代打。入り方をもう少し慎重にいってほしかったね。
しかし、気になったのはそれぐらい。あとは床田らしい投球を続けていた。
バックのミスもカバーしていたね。ルーキーの佐々木が、岡本(二回先頭)の三ゴロとリチャード(八回先頭)のファウルフライを処理し損なったが、床田がじょうずに“尻拭い”をした。リチャードをその次の球で三振に仕留めたのは見事だったね。
エラーは野球につきものだし、投手が逆に打線に助けられることもある。こういうことはお互い様。だから2つのエラーから救ってもらった佐々木には、ぜひこう言ってもらいたい。「先輩、今度、打って返します」とね。
そう言われたら、だれだって悪い気はしないですよ。「よし、頼むよ」となる。
このところ三塁で先発起用されている佐々木は大物感が漂う将来性十分の若手。このまま外さずに使っていってほしい。
投手の右左に関係なく1番を打つ中村奨もスタメン起用が続く期待の中堅選手だ。8年目の今年は“最後のつもり”で取り組んでいると聞く。捕手から外野にコンバートされ、ようやく打撃で結果を出せるようになってきた。
引っ張るだけでなく、この試合のように逆方向へ打てる技術も身につけて。レギュラー定着へ向けて頑張ってほしいね。
チームとしては、この巨人との3連戦のアタマを取れたのは大きい。仮に3連勝でもすればAクラスだけでなく、2位の可能性だって十分見えてくる。
巨人との直接対決はこの試合を除いて、まだ8試合も残っている。その前にDeNAがいるし、背後には中日も迫っているが、もう今からは全部勝つつもりで戦ってほしいね。
7月は絶不調だったが、8月は打線を中心にチームが立ち直りつつあり勝ち越しているから悪くない。昨年は最終盤に急降下。今年はその逆をいきたいね。





