「広島１２－３巨人」（１１日、マツダスタジアム）

　広島が“王者巨人”を圧倒し、６勝５敗で貯金を１つ作った。二回に菊池の三塁線を破る２点適時二塁打で逆転すると、四回には戸郷に６安打を浴びせてＫＯ。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は１５安打、１２得点と大爆発した打線の変身ぶりに驚いていた。

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　こんなつながりのいい広島打線、初めて見ましたよ。本調子ではないとはいえ、巨人のエースを相手に回しての圧勝だからね。各打者がコースに逆らわず、センターを中心に逆方向を意識しているのがいいんじゃないだろうか。

　ただ、大量得点のきっかけとなったのは四回無死一、二塁から森下の送りバントを処理した岡本の三塁への悪送球。これが痛い追加失点となり、ここから戸郷が大きく崩れていった。

　ミスの怖さを思い知る試合になったんじゃないか。しかし、矢野にもエラーが２つあっただけに決して“他人事”ではないと思いますよ。

　結果的に一方的な展開になったが、注目したいのは１番・一塁で起用された田村だ。戸郷から中前への適時打を放ち左腕の中川からは内野安打。そして四球が２つ。４度の出塁はベンチの期待に応えるに十分な働きだったと言える。

　彼の特長は初球から振っていける思い切りのよさにある。選球眼もいい。外野手ながら（モンテロが離脱するなど）チーム事情から慣れない一塁で使われているが、守備の動きも悪くない。

　今季は二俣の１番起用が多かったが、田村にもレギュラーに食い込むチャンスは大いにあると思うね。相手投手の左右で控えに回ることもあるだろうが、とにかく今は打って結果を残すこと。秋山やモンテロが戻ってくるまでにどれだけ活躍できるかだね。

　現状のカープは故障者も絡んで、打順や守備位置などチームとして定まっていないところはあるが、若手のこうした経験はシーズン後半に生きてくるんじゃないかな。そう願いたいね。