広島・ドラ4渡辺 覚醒予感!腰の疲労骨折で2カ月のリハビリで打撃改革 スイングの脱力&分析 2軍で待望“プロ1号”
広島のドラフト4位・渡辺悠斗内野手(23)が打撃改革で長打量産を狙っている。4月に腰の疲労骨折により、約2カ月間離脱。リハビリ期間中の取り組みが功を奏し、2軍で“プロ初本塁打”をマークするなど覚醒の気配が漂っている。
期待の大砲に待望の一発が飛び出した。17日のウエスタン・中日戦(由宇)。2点を追う七回だった。無死一塁で打席には渡辺。2球目の直球を完璧に捉えた打球は左翼スタンドに着弾する“プロ初本塁打”。手に感触を残しながらダイヤモンドを1周し、「いい感覚でした。これを続けることが大事だと思います」と手応えをにじませた。
グラウンドを離れた2カ月間が渡辺を変えた。4月中旬に腰を疲労骨折。6月中旬までリハビリ期間を過ごした。人生初の長期離脱。これまでの野球人生で大きなけがをしたことはなく、「けがしないという自信があった」と油断を反省する。
まずはコンディション面に気を配るようになった。練習前のストレッチの種類を増やし、再発防止に注力。加えて、技術面にも目を向けた。大野練習場でブラストモーション(スイングに関する数値を測定できる機器)を使用し、自身のスイング軌道を分析。「もともと角度が上がりにくいタイプ。まずは自分のスイングを知ることが大事だと思ったので」と映像でも何度も確認した。
意識も変えた。福地2軍ヘッドコーチや新井2軍打撃コーチから「振りすぎるな」とアドバイスを受けた。「長打を狙いすぎていたところもあった。ちょっと振りすぎていた部分もあった」。17日に放った本塁打も“脱力”を意識してのスイング。「意外と振らなくても飛ぶんだなと。もっと長打を増やしていきたい」と新たな感覚をつかみかけている。
2軍では34試合に出場し、打率・233、1本塁打、9打点(29日現在)。福地ヘッドコーチはここからの対応力が大事になってくると分析する。「この先、ずっと試合に出ていたら弱点を攻められるようになる。そこがプロとしてのスタートライン。自分の弱点を理解して、打てるボールと打てないボールを見極められるようになってくれれば」と期待を寄せた。
「2軍でたくさん練習して1日でも早く1軍で活躍したい」と渡辺。けがを乗り越え覚醒の兆しを見せる若鯉が、アピールを続けていく。
◆渡辺悠斗(わたなべ・ゆうと)2002年7月7日生まれ。23歳。東京都出身。181センチ、98キロ。右投げ右打ち。捕手、内野手。福生三小で野球を始め、中学時代は福生シニアでプレー。堀越では1年秋からベンチ入り。富士大進学後は1年秋からリーグ戦に出場。3年秋には捕手で、4年春には一塁手でベストナインを獲得。24年度ドラフトで広島から4位指名を受ける。





