広島・新井監督「腹に据えかねるものがあった」 藤川監督とのメンバー表交換に初言及 目を合わせ握手「これで終わりです」
「阪神3-1広島」(18日、甲子園球場)
広島が逆転負けで2連敗となり、甲子園での3連戦を負け越した。1点リードで迎えた六回の本盗失敗で流れを失い、その裏に逆転を許した。試合後、新井貴浩監督(48)は阪神・藤川監督と今カードの1、2戦目でのメンバー表交換の際に目を合わせなかったことに初めて言及。胸中を明らかにした上で、ファンには自身の行動を謝罪した。
試合後に報道陣の前に立った新井監督は潔かった。「私のミスです」。六回2死三塁で三走・中村奨が仕掛けて失敗に終わった奇策・ホームスチールについて問われると、そう答えた。直後に逆転されての敗戦に「それも含めて流れが変わったから(ホームスチール敢行は)自分のミスです」と再度、自らの責任であることを強調した。
広島ベンチは伊原-坂本のバッテリーには本盗で「勝負できるチャンスがある」と踏み、機会をうかがっていた。その中で、中村奨が果敢に狙っていったが阻まれる結果に。痛い逸機にも攻めの走塁にベンチで拍手した新井監督は「思い切って行ったんだけど…。私のミスです」と、みたび自らにベクトルを向けた。
試合での責任を背負った指揮官は、試合前の自身の行動については謝罪した。「私がとった行動に対して不快に思われたファンの方とか、また心配していただいたファンの方には申し訳ないと思っています」と努めて冷静に言葉を紡いだ。
試合開始直前に行われる両チームの監督によるメンバー表交換の場。新井監督は前日までのカード1、2戦目のメンバー表交換の際、阪神・藤川監督と握手はしたものの、目は合わせず、不穏な雰囲気が漂っていた。
発端となっていたのは4月20日の対戦でのドラフト3位・岡本(甲南大)の坂本への頭部死球。即座に坂本は、帽子を取って謝罪する岡本に「大丈夫」と気づかっていたが、藤川監督はベンチを飛び出して広島側に激怒し、警告試合となっていた。
広島ベンチからのヤジなどは「一切ない。一番近くにいた坂本くんが分かってると思います」と言葉に力を込めた新井監督。メンバー表交換での行動の真意を問われると、「前回(4月20日)ああいうことがあって、こちらとしては謝罪をしてたんだけどね。ああいうふうに(藤川監督に)来られたら、自分もチームを預かる者として、また年長者として、腹に据えかねるものがあった」と正直な思いを明かした。
その中でこの日のメンバー表交換では、お互いが目を合わせてガッチリと握手を交わすと、スタンドから拍手が起こった。「いつまでもとは思ってなかったですしね。もうこれで終わりです」と一連の出来事に線を引いた。20日からは本拠地6連戦が始まり、その先の月末30日からは阪神3連戦(マツダ)も控えている。気持ちを切り替え、勝率・778のマツダスタジアムから仕切り直す。





