広島 森の好投で今季初勝利 八回途中無失点!新井監督も絶賛「やるじゃないか」鯉の翔平が連敗止めた

 「広島2-0阪神」(30日、マツダスタジアム)

 広島が接戦を制して今季初勝利を挙げた。立役者は、プロ入り初の開幕ローテ入りを果たした森翔平投手(27)だ。立ち上がりから阪神打線を寄せ付けず、八回途中2安打無失点の好投。チームの連敗を2で止め、自身にとっても昨年8月以来となる節目の1勝をつかんだ。飛躍のシーズンを目指す左腕が、先発陣を支えていく。

 八回表が終わった瞬間に、森は力強く両手をたたいてベンチを飛び出した。後を託したハーンの火消しに、感謝が尽きない。「本当に願っていたので、ありがとうございました!」と、お立ち台で隣にいた助っ人左腕に頭を下げた。八回途中2安打無失点。小気味のいいテンポで腕を振り、始まりの1勝をつかんだ。

 開幕2連敗で出番が巡るも気負いはなかった。「打者一人一人、投げようと思っていた」と目の前の勝負に集中した。直球と低めに集めた変化球のコンビネーションが絶妙。特に直球の手応えが良く「ファウルを取れていたし、打者が差されている感じがあった」と武器になった。

 五回1死から前川、梅野を直球で連続三振。七回は無死一塁で森下を迎え「何とかゴロを打たせようと」という思惑通りフォークで三ゴロ併殺。相手主砲は29日に決勝弾を放ち、自身も昨年の対戦で被弾していた。「キーマンの一人。そこを切って、次につなげないように気をつけて投げた」と指先に意地を込めて流れを寸断した。

 八回無死一、三塁でマウンドを降りたが、七回まで完封ペースの好内容。新井監督は降板した左腕に歩み寄り「やるじゃないか」と声をかけ「どんどん腕を振って(ストライク)ゾーンで勝負できている。素晴らしい投球だった」と絶賛した。

 オフは米大リーグ・カブスの今永に弟子入り。登板前には先輩左腕が今季初勝利を挙げた。「結果を見て自分も続きたいなと」。海の向こうでの躍動が励みになった。そして森自身、歌にも力をもらっている。

 今季から登場曲を浜田省吾の「風を感じて」に変更した。1979年に発売されたヒット曲。左腕は当時まだ生まれていないが、父の影響でファンになった。昨年、同曲を初めて耳にした時にほれ込み「聴けば聴くほど、いいなと。今年はこれでいこうと決めました」と迷わずチョイスした。

 お気に入りの歌詞は「自由に生きてく方法なんて100通りだってあるさ」という部分。「おじさん受けも狙って(笑)」とおどけたが、この日の快投はカープファン全ての世代に笑顔をもたらすものになった。

 キャンプから継続して存在感を示し、プロ入り初の開幕ローテ入り。昨年8月9日の阪神戦(京セラ)以来となる白星に「ここで勝てたのは、チームとしても僕自身としてもすごく大きい」と実感を込めた。今季1勝目はまだ、飛躍への“イントロ”に過ぎない。

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