広島3番・小園 4安打大暴れ OP戦首位打者「取りたくない」「シーズンで打たないと意味がないので」

 3回、三塁打を放ち激走する小園(撮影・中島達哉)
 6回、自身4安打目となる適時打を放つ小園
 8回、細川の打球を捕球する小園(撮影・中島達哉)
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 「オープン戦、日本ハム4-4広島」(12日、エスコンフィールド)

 広島・小園海斗内野手(23)が12日、「3番・遊撃」で出場し4安打を放つ大暴れを見せた。四回までに3安打をマークすると、2点リードの六回には、貴重な追加点となる適時打を放った。守備でも八回にチームを救う好捕を見せるなど、攻守にわたって躍動。主力の風格漂う6年目がチームを引っ張る。

 右へ左へ、華麗にはじき返した。バットを振れば安打が生まれる。小園が4安打し、オープン戦の打率を・455まで上昇させ、北の大地でも好調をキープしてみせた。

 相手先発は山崎。初回2死、1ストライクから143キロ直球を左前にはじき返すと波に乗った。三回は先頭で打席に立つと2球目の内角を強振。打球が右翼線を転々とする間に迷わず三塁を陥れた。この安打を足がかりにチームは3点を先制。小園が突破口を開いた形となった。四回2死では初球のカーブにうまく対応。中前に運び、左腕から3安打をマークした。

 小園の勢いは止まらない。2点リードで迎えた六回2死一、二塁。カウント3-2からファウルで2球粘ったあとの8球目の内角直球に反応し、左前適時打を記録。「粘って逆方向にしっかり入っていけた。理想通りの打撃ができた」。自画自賛の一打で貴重な追加点をもたらした。

 守備でも魅せた。八回、押し出し死球で2点差とされ、なおも2死満塁の場面。細川が放った打球は小園の後方にふらふらと上がったが、落下地点へ一直線。背走キャッチで同点の危機を救った。初のエスコンフィールドも関係なしの好プレーに「マツダでもやっているので大丈夫です」と、さらりと言ってのけた。

 オープン戦は22打数10安打と絶好調。このままの調子で打席を重ねていけば、オープン戦首位打者の可能性も十分あるが本人は「取りたくないです」と苦笑い。「安打が出ていることに越したことはないんですけど、シーズンで打たないと意味がないので」と表情を引き締める。

 開幕3番も見えてきた。新井監督も「ずっといい打撃をしている。打席内の粘りも成長している。見ていて頼もしい」と評価。「まだまだ彼は発展途上だと思う。高いところに目標を置いてやってもらいたい」とさらなる進化に期待した。

 昨季は開幕直後に不振に陥り、2軍降格を経験した。苦い思い出があるだけに油断はしていない。「満足はしていないので。ここからさらに(状態を)上げていけるように頑張ります」と小園。絶好調男が鯉の打線を引っ張り続ける。

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