広島・栗林 長所は「聞く力」 復調の裏に周囲の声 新井監督「一つの結果に一喜一憂せず」に“気づき”あった

 広島・栗林良吏投手(27)が本音をさらけ出す一人語り『謙虚』。第3回のテーマは「聞く力」。左足を上げる投球フォームへの変更もあり、9試合連続無失点など復調を見せる右腕。その裏には周囲から掛けられた数々の言葉があった。自ら長所と捉えるこの“力”について語った。

  ◇  ◇

 デイリースポーツ読者のみなさん、栗林良吏です。今回は「聞く力」についてお話しします。人から言われたことに対してやってみる。「聞く力」は自分の長所です。まったく知らない人の意見でも1度は採り入れて挑戦してみることが大事だと考えます。

 左足を高く上げる新フォームにしてから全球種が良くなりました。足を上げてるだけで何も変えてないですが、腕がよく振れるようになりました。ここに至るまでも「聞く力」は大いに発揮されました。新井監督をはじめ投手コーチ、藤井ヘッドコーチとか、コーチの方々の意見は参考になりました。

 横山投手コーチには足を上げてキャッチボールしてるときに“お!足を上げてやってみるか”と声を掛けてもらいました。キャッチボールで何かつかめるものはないかなと思ってやっていただけでしたが、声を掛けてもらって試合でもやってみようかなというきっかけになりました。

 新井監督からはいろんな場面、場面でいっぱい声を掛けてもらいました。打者目線のこととか、自分が打者として苦しかったときのこととかも話してくださいました。

 きっかけになったのは(6月10日の)ロッテ戦で打たれたあとの言葉です。“一つの結果に一喜一憂せずに、浮き沈みをしないようにしよう”と言ってもらいました。調子の波は誰にでもある。良かった、悪かったで感情移入し過ぎないようにと。そこに“気づき”がありました。九回に投げたい。投げなきゃと自分自身を追い込み過ぎていた。与えられたところで結果を出すことが大事だと気づきました。投げる場所は関係なく、抑えればチームの勝利に貢献するチャンスになる。そう思えてからマウンドに上がるときも自分で自分を苦しめなくなりました。

 苦しいときに他球団の抑えの方々も声を掛けてくださいました。楽天の松井裕樹さんとか、DeNAの山崎康晃さんはデイリーの紙面で心配してくださっていると書いてあって、やっぱりうれしかったですね。

 2年間、日本代表を経験させてもらって高いレベルの人たちとお話をさせていただく機会が持てました。康晃さんも松井さんも同じ抑えとしてやってきた選手。マウンドに上がるときのメンタルとか準備とか技術よりも気持ちの面の話を聞きました。

 いろんな人の意見を採り入れることに抵抗はありません。自分はエリートではないし、強いチームでずっとやってきたわけではないので。経験が多い、引き出しが多いわけではないので聞くのが当たり前という感じです。

 今もツイッターとかで素人が投球を分析しているのも読みます。プロ野球選手のプライドは?と言われてもまったくないですね。技術のことを言われてイヤだなと思うことはないです。言われたときに違うなと思うときもありますけど。それは自分の価値観であって、違う見方があるかもしれない。そういう考え方もあるんだなと、やってみようかなと思えば採り入れます。

 結果が出ないときはうまくなりたいし、結果を出したい。何歳になっても新しい発見があるなら、プロだとかアマチュアだとか関係なく、試してみると思います。それが自分の強みでもあるのかなと思っています。(広島東洋カープ投手)

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