広島・栗林に復活の日は来るのか? 絶不調の原因は「故障による投球バランスの崩れ」と野田浩司氏

 広島・栗林良吏投手(26)は復活するのか。5月1日に右内転筋を痛めて出場選手登録を抹消。再登録後は中継ぎ起用されているが、状態は芳しくない。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「投球フォームのバランスを崩している」と語り、技術面に改善ポイントがあると指摘した。

  ◇  ◇

 1軍に復帰したあとの栗林の投球を見ていると、フォームのバランスを崩しているのではないかという印象を受ける。特に千葉で行われたロッテ戦は体の“横ぶれ”が大きかったように思えた。

 彼は投球時に体の軸がやや一塁側に傾くタイプだが、それを割り引いても左へぶれていると感じる。

 そうなると、どうしても左肩が開き気味になる分、腕が遅れて出てきてボールがシュート回転し、それを我慢すれば逆に引っかけてしまう。つまり左右にバラつきやすくなる。

 バランスが悪くなると、しっかり上からボールをたたくことができないため、結果として得意球のフォークボールも生きてこない。ロッテ戦ではこのフォークを完全に見切られていましたからね。

 千葉特有の強風を嫌がる投手もいるが、それにしても内容(2安打1四球でサヨナラ負け)が悪かった。

 直球もフォークも“同じ腕の振り”から生まれるものだから、つながりがある。また投球フォームも下と上がつながっている。下半身と上半身の連動ですね。だから、どこかひとつでも狂うと、全体がおかしくなるほど微妙なもの。

 このバランスの崩れを修正するのは口で言うほど簡単ではないけど、ある日“ポン”と気づくこともあるんです。それがブルペンなのか試合中のマウンドなのか。どこでひらめくか分からない。栗林ほどの実績がある投手なら投手としての“引き出し”は多いはずだから、早い段階で発見するかもしれない。

 今年はシーズン当初から調子が上がらず、セーブは挙げているものの不安定な投球が続いている。

 (今年の栗林は1勝6敗7セーブで防御率は6・75。極度の不振が続いている)

 ただ調子を狂わせた原因は、WBCを辞退する理由にもなった腰痛であり、開幕後に経験した内転筋痛だと考える。

 1年目からの“勤続疲労”も無関係ではないだろうが、肉体の不調が投球の不調につながっていると見るべきではないか。逆に言うと、そこの懸念さえクリアされれば、さほど心配する必要はないと思う。

 栗林の場合は1年目の活躍が華々しく、五輪にも選ばれた日本を代表する投手。とはいえ完全無欠の投球を常に求めるのは酷というものでしょう。焦らず、焦らさず。この姿勢が“ストッパー復活のカギ”になるのではないか。

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