新井カープ 北別府さんに捧げる追悼星 床田が魂の完封「いい報告ができるように、と投げていた」

 試合前、黙とうを捧げる新井監督ら(撮影・田中太一)
 8回、源田の打球を好捕する床田
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 「広島2-0西武」(16日、マツダスタジアム)

 偉大なエースを弔う勝利だ。球団OBの北別府学氏(享年65)が死去した日に、広島の先発・床田寛樹投手(28)が9回5安打で、402日ぶりの完封で6勝目。規定投球回に到達して防御率1・69でリーグトップに躍り出た。新井貴浩監督(46)も哀悼の意を示し、ウイニングボールを北別府氏に捧げることを明かした。

 一丸となって白星を贈った。この日、天国へ旅立った先輩を追悼する一勝。新井監督は「北別府さんが見てくれていると思って、みんなで頑張りました」と勝利を報告した。

 半旗を掲げて試合前は黙とうし、喪章を着用。負けられない一戦で、左腕・床田が輝きを放った。立ち上がりからテンポ良く腕を振って的を絞らせない。15日・楽天戦は6人の中継ぎ陣をつぎ込んでいた。「きのうの試合を見ている時から、長いイニングを投げないといけない」と使命感を増幅させていた。

 9回5安打無失点。今季最多115球を投げ、連打を許さず2つの併殺打で流れを寸断した。完封勝利は昨年5月10日・阪神戦(甲子園)以来、実に402日ぶりとなった。

 北別府氏とは球場で顔を合わせた際にあいさつし、激励されたことがあるという。「いい報告ができるように、と思って投げていた。勝てて良かった」。同氏は球団の黄金期をエースとして支え、1981年からは4年連続で200回以上を投げた。自身はこれで防御率リーグトップに浮上し、「イニングを投げていけるように」と先輩同様のフル回転を誓った。

 新井監督にとって、北別府氏は少年時代から憧れの存在。投球フォームをマネたこともあったという。同氏が投手コーチを務めた2001~04年は駆け出しの頃。「どんな時も淡々と、どっしりとしている方でした」。同じユニホームを着て戦った時間は、ずっと胸に刻まれている。

 阪神から広島に復帰した15年にはあいさつに出向き、エールを送ってもらった。「『がんばりんさいよ』と優しく言っていただいたことを思い出します」と温かく背中を押してくれた人柄を思い返し、神妙な面持ちで死を悼んだ。

 ウイニングボールは同氏に捧げる。「試合前はショックでしたけど、自分たちはグラウンドで精いっぱいプレーすることしかできない」。カープのレジェンドをしのびつつ、一戦必勝で勝ちにいくことを誓った。

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