広島ドラ2・内田 特大カワウソ持参! 将来の4番候補、新幹線も相棒背負って乗車

 カワウソのぬいぐるみを肩車し、笑顔を見せる内田(撮影・田中太一)
 カワウソのぬいぐるみをおんぶして入寮する内田
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 広島の新人10選手が7日、廿日市市の大野寮に入寮した。ドラフト2位・内田湘大内野手(18)=利根商=は、高さ50センチを超えるカワウソのぬいぐるみを持参。高校時代に母・智美さんから贈られたもので、苦しいときを一緒に乗り越えてきた“相棒”だ。活躍し両親に恩返しも誓う。未来の4番候補が、プロとしての第一歩を踏み出した。

 愛らしい顔と前足が、リュックサックからはみ出すほどの大きさだった。内田が背負っていたのは、特大サイズのカワウソのぬいぐるみだ。高校時代からの“相棒”と一緒に入寮し、プロ生活をスタートさせた。

 「ちょっと不細工な顔に癒やされます。触り心地と寝心地が良いのと、つらい時期にお母さんが買ってきてくれたので、助けられたという意味で持ってきました」

 高さは50センチ超。「ちょっと太っている」という理由から、「デブリン」と名付けている。新幹線で広島入りする際もリュックサックに入れて背負って来た。すれ違う人からは「『熊?カワウソ?』って言われた」。それでも恥ずかしがらずに堂々と歩いたという。

 新生活でも手放すことができない宝物だ。高校で寮生活をしていた「1年か2年のとき」に母・智美さんからプレゼントされた。「兄が持ってきて『お母さんが買ってくれたぞ』って渡してくれた」。思い描くプレーができずにもがいたときは、その表情に癒やされ、前を向くことができた。

 「頑張っても成績が残せなくて、チームに迷惑をかけていた。(そのときは)一人になりがちだったので、ありがたかった」。感謝の思いは尽きない。

 飛び込むのは弱肉強食の厳しいプロの世界。これまでに経験したことがないような、大きな壁に直面することもあるだろう。「家族なしではここまで来られなかった。恩返しをしていきたい」。家族の期待も力に変える。相棒の愛らしい姿に気持ちを整え、奮起しながら、一歩ずつ前進していく意気込みだ。

 8日からは新人合同自主トレが始まる。高校通算36本塁打を記録した将来の4番候補は、焦らずにトレーニングに励む構えだ。

 利根商では投手兼一塁手だったスラッガーは、カープでは三塁に挑戦する。テーマは「がむしゃら」だ。「まだ粗削りなので、本当にがむしゃらに頑張っていかないといけないなと思います」。山あり谷ありを相棒デブリンと乗り越え、大きな打者になってみせる。

 ◆広島新人選手の入寮時持参の珍品グッズ

 「沢村賞帽子」 梅原伸亮投手(ドラフト4位・2006年入寮)が完投型先発投手へ贈られる「沢村賞」の副賞の帽子を。母校・京都学園大は伝説の投手・沢村栄治さんが所属した京都学園高の系列で同校から贈られた。

 「“アンバット”」 中田廉投手(ドラフト2位・09年入寮)は歌手・アン・ルイスから贈られたバット。叔母がバックバンドでコーラスを務めた縁で。

 「確定申告本」 矢崎拓也投手(ドラフト1位・17年入寮)が確定申告に関する書籍を。「知識は必要。何も知らず、税理士に丸投げするのはイヤ」

 「アトム人形」 小園海斗内野手(ドラフト1位・18年入寮)は地元・兵庫県宝塚市の市長から贈られた「鉄腕アトム」人形。原作者・手塚治虫氏は少年時代を宝塚で過ごした。

 「バレーボール」 大道温貴投手(ドラフト3位・21年入寮)はバレーボール。ドッジボールで使った際に投球感覚が良くなったため。

 ◆内田 湘大(うちだ・しょうだい)2004年9月22日生まれ、18歳。長野県出身。183センチ、90キロ。右投げ右打ち。内野手。利根商から2022年度ドラフト2位で広島入団。高校時代は内野手兼投手の二刀流。プロでは内野手で勝負する。積極的に振っていける打撃が魅力。高校通算36本塁打。

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