新井監督と兄弟タッグ 良太氏をカープ2軍打撃コーチ招へいへ 大砲育成へ白羽の矢

 広島が今季は阪神で1軍打撃コーチを務めた新井良太氏(39)を来季の2軍打撃コーチとして招へいすることが17日、分かった。新井新監督の実弟で、地元の広島で兄弟タッグが実現する。阪神では大山を4番に育て上げるなど長距離砲育成には定評があり、若鯉を鍛えて選手層の底上げに力を注ぐ。

 大砲の育成役に指名されたのは新井良氏だ。カープは来季のコーチングスタッフについて、球団内外を問わず幅広く人選を進めてきた中、技術論に定評があり、人望もある同氏の名前が挙がった。

 阪神では大山を4番に育てるなどした。1軍打撃コーチに就任した20年以降、マンツーマンで指導。全体練習前にスイングを確認するなどしてきた。対話も重視し、意見や感覚を聞きながら、的確な助言を送ることで成長を後押しした。

 同氏が1軍打撃コーチに就任したその年、大山は自身初の20発超えとなる28本塁打を記録。21年は21発、今季は23発と、3年連続で20本塁打以上を放っている。

 長距離砲育成はチームの懸案事項。今季は勝負どころでの流れを変える一発が出ないなど、長打力不足に悩まされた。2軍も106試合で50本塁打。ほかの4球団と試合数に違いはあるものの、ウエスタンでは4番目の数字だった。末包、正随、林、田村、育成・二俣など大砲の原石がそろっており、若鯉が殻を破り、1軍の舞台で輝く土台を築き上げてくれるはずだ。

 新井良氏は新井新監督の実弟になる。広陵-駒大を経て05年度大学生・社会人ドラフト4巡目で中日に入団。10年オフにトレードで阪神に移籍し、新指揮官が阪神に在籍していた12年7月29日のDeNA戦では兄弟弾を放ったこともある。

 17年限りで現役を引退し、2軍育成コーチに就任。19年に2軍打撃コーチとなり、翌20年から1軍打撃コーチを務めていた。阪神は15日に新井良氏の今季限りでの退団を発表しており、受諾は確実。1、2軍の違いはあるものの、地元・広島で実現する兄弟タッグ。カープの勝利のために全力を尽くす構えだ。

 若鯉の底上げが戦力アップには欠かせない。中日、阪神と他球団を知る新井良氏の入閣は、新たな風を吹き込んでくれるに違いない。球団は機動力野球復活に加え、長打力も兼ね備えたチームづくりを目指す。故郷で新たな野球人生を歩む39歳が、その一翼を担う。

 ◆新井 良太(あらい・りょうた)1983年8月16日生まれ、39歳。広島県出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。広陵から駒大を経て、05年度大学生・社会人ドラフト4巡目で中日入団。10年オフにトレードで阪神へ移籍。17年に現役引退。18年に阪神の2軍育成コーチ就任。20年から1軍打撃コーチ。現役通算は630試合で打率.238、40本塁打、151打点。

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