カープ OBフェルナンデスを超異例の育成・坂田専属の臨時コーチとして招へいへ

 臨時コーチとして招へいすると発表されたジャレッド・フェルナンデス氏
 ふんどしを締め笑顔のフェルナンデス=07年3月
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 広島は4日、OBでナックルボーラーだったジャレッド・フェルナンデス氏(50)を臨時コーチとして招へいすると発表した。期間は9日から19日まで。みやざき・フェニックスリーグに同行し、ナックルボーラーを目指す育成・坂田怜投手(23)の指導に当たる。育成選手専属の臨時コーチは球界でも超異例だ。

 日本球界初のナックルボーラー誕生へ球団は本気だった。

 坂田は育成ドラフト4位のルーキー。188センチの長身から100キロ超のナックルボールを駆使する。今季は2軍で9試合0勝1敗、防御率8・31に終わった。

 中部学院大3年春にバルサルバ洞動脈瘤(りゅう)破裂で心臓の手術を受けた。以前のように投げられなくなったことで、ナックルボールを覚え、プロ入りに至った。投げている本人でさえも投げてみないとどんな変化をするのか分からないといわれる魔球。「無回転になる確率は大学時代に比べたら多くなっている」と進化を実感しているが、8回2/3で18四死球と制球力に課題が残った。

 OBのフェルナンデス氏は07年に在籍。開幕ローテ入りし、4月28日・阪神戦ではリリーフで4回を無失点に抑えて来日初勝利を挙げるなど、30試合登板で3勝8敗、防御率6・04。1年で退団した。当時、球団グッズで発売したふんどしが大人気。フェルナンデスバージョンとして「魔球 フルエル球ナンデス」と揺れる変化球をもじって発売したことで話題になった。

 球団幹部は「坂田はナックルボーラーとして獲った。日本人で投げられる人がいないから教えられる人もいない。投げたことのあるフェルナンデスに頼むことになった。専属コーチは珍しいが、本物になってくれれば安いもの」と明かす。

 日本球界ではかつてロッテ・荘勝雄や、巨人などで活躍した前田幸長らナックルボールを持ち球とした投手はいたが、投球のほとんどでナックルボールを投げるナックルボーラーは皆無。メジャーには318勝を挙げたフィル・ニークロを筆頭に200勝のウェイクフィールド、ディッキーら多くのナックルボーラーがいる。

 坂田は以前、フェニックスリーグへ向けて「ナックルの精度はまだまだなので、試合の中で良い球を増やしていけるように、それで長いイニング投げさせてもらえるように、経験を積みたい」と話していた。専属コーチの指導で本場仕込みのナックルを習得し、実りの秋にしてみせる。

 ◆ジャレッド・フェルナンデス(Jared Fernandez)1972年2月2日生まれ、50歳。米国出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。カリフォルニア州立大学フレズノ校を経て1994年にレッドソックス入団。01年にレッズへ移籍してメジャーデビュー。07年に広島入団。NPB在籍は1シーズンで30試合で3勝8敗2ホールド、防御率6.04。

 ◆坂田 怜(さかた・れい)1999年9月13日生まれ、23歳。埼玉県出身。188センチ、90キロ。右投げ右打ち。投手。正智深谷、中部学院大を経て2021年度育成ドラフト4位で広島入団。20年3月に心臓手術を受ける。ナックルボールの使い手で22年はウエスタンで9試合に登板し1敗、防御率8.31。

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