広島・森下 サヨナラ呼んだ熱投122球 菅野と初対決8回0封11K 2位と0・5差
「広島2-0巨人」(2日、マツダスタジアム)
広島は0-0の九回にライアン・マクブルーム内野手(30)が9号2ランで今季5度目のサヨナラ勝ち。勝利へ導いたのは先発・森下暢仁投手(24)。気温34度の炎天下、自身4度目の2桁奪三振となる毎回の11奪三振で8回無失点。勝利投手にこそなれなかったが、熱投にファンも大興奮。劇勝で2位・巨人とは0・5ゲーム差に迫った。
マクブルームのサヨナラ弾が右中間スタンドに飛び込む。森下はアイシングを付けたまま両手を挙げて喜んだ。ヒーローは助っ人かもしれないが、勝利へ導いたのはこの右腕。佐々岡監督は「こういうゲームで終われたのは森下がしっかりとゼロで抑えてくれた結果。勝ちを付けさせてあげたかった」と最大級の賛辞を送った。
相手エース・菅野と初の投げ合い。初回を三者凡退ですんなり立ち上がると二回はギアを上げる。岡本和を右飛、坂本、ポランコは連続で空振り三振に斬った。二回は過去14試合で自責点14と課題だった。ここをすり抜けると、MAX153キロの直球を軸に多彩な変化球を制球良く投げ分ける本来の投球で『0』を並べていった。
六回1死三塁のピンチでは丸の強襲打を反応よく処理し三塁走者をタッチアウト。続くウォーカーに左翼線へのライナーを打たれるが羽月のダイビングキャッチに救われた。
最大のピンチは八回1死満塁のピンチ。ここで3万超、満員のスタンドから自然発生的に激励の拍手が起こった。7回まで毎回の10奪三振。気温34度、灼熱のマウンドを一人で守ってきた。熱投にスタンド全体が後押しした。ここで丸を151キロで一ゴロ、ウォーカーをカットボールで空振り三振に打ち取ると右拳を握り、小さくガッツポーズ。
「毎回ああいう場面で点を取られていたので、今回、抑えられて本当によかったです」
マウンド上ではクールなイメージ。ガッツポーズはめったに見せないが、実は「いつもタイミングを見失ってます」と明かす。この場面では自然に出た。
5月末から4連敗と1カ月以上勝てない時期があった。「気持ちの持ち方だったり、どうやったらいいボールを投げられるのかなといろいろ考えたりした」。苦しんだが、その間もローテを守り続けた。イニングは両リーグ最多の103イニング。新人から3年連続の100イニング超は野村祐輔以来となった。
背番号18は勝利投手にこそなれなかったが、炎天下で剛腕復活を証明した。


