広島・森下、夢散 由伸と白熱投げ合い109球も「申し訳ない」 オリに鯉11連敗

 8回、T-岡田に勝ち越し打を打たれた森下
 オリックス相手に11連敗となり、ベンチで肩を落とす森下(中央奥)ら広島ナイン(撮影・立川洋一郎)
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 「広島2-3オリックス」(4日、マツダスタジアム)

 広島・森下暢仁投手(24)の109球熱投も報われなかった。相手エース山本との投手戦。1度は逆転したものの八回に捕まり、再逆転を許して対オリックスは4年越しの11連敗。貯金は気がつけば開幕戦以来の「1」。セ・リーグの残り5球団がすべて勝利した中、首位ヤクルトとは今季最大の6・5ゲーム差に開いた。

 森下はベンチに座るとぼう然と宙を見上げた。もう少しで届きそうだった交流戦初勝利。その手からするりと落ちていった。

 東京五輪のチームメートで親交のある山本との投げ合い。互いを特別と認める2人はともにこの日を心待ちにしていた。楽しみにしたのは3万を超える満員のスタンドも同じ。期待通りの投手戦に拍手の渦は何度もわき起こった。

 森下は二回に杉本に一発を浴びるが、動じることなく、続くT-岡田、安達を連続三振。そこからは150キロ超の速球を中心に大きく割れるカーブとの緩急差でオリックス打線に凡打の山を築かせた。

 六回には吉田正の打球を右足に受けるが、マウンドを譲るつもりはなかった。1死一、二塁のピンチもT-岡田を併殺に仕留め、味方の反撃を待った。

 七回に味方が逆転。だが、八回は代打・中川圭の三塁内野安打から1死一、三塁のピンチ。ベンチは併殺を狙うシフトを選択。吉田正を注文通りの一ゴロに打ち取り、併殺と思われたが、リクエストで判定が覆り再び同点。これが運命の分かれ道だった。吉田正の代走・小田に二盗を決められると杉本も四球。一、二塁から109球目、T-岡田への149キロは無情にも小園の頭上を越える勝ち越し打になった。

 「完全に中に入った。あそこが全て。いい投手から2点を取って逆転してくれた中で、簡単に逆転されたことは反省しています。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 悔しい思いからか、反省の弁ばかりが口を突いた。

 「本当に先にマウンドを降りたくなかった。いい投手なので最少失点で抑えないとなかなか勝てないと思っていた。粘れなかった自分に原因があった」

 佐々岡監督は八回について「森下に任せたという気持ちで送り出した。責めることはできない。ナイスピッチングだった」と責めることはなかった。

 ただ、これで対オリックスは11連敗。交流戦最下位も変わらず。相手エースから勝っていれば勢いも出たはず。夢の対決のあと、敗戦という重い事実だけが残った。

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