広島ドラ6末包 球団新人最多弾狙う 記録保持者・樋笠と同じ坂出出身
広島のドラフト6位・末包昇大外野手(25)=大阪ガス=が9日、球団の新人本塁打記録更新に意欲を示した。この日、入団会見を翌日に控え広島入りし報道陣に答えた。新人記録は21本で、自身と同じ香川県坂出市出身の樋笠一夫が持つ。大先輩を超えて球団史に名前を刻んでみせる。
末包は夢をかなえ、新幹線のホームに降り立った。到着前には緑の芝生がまぶしいマツダスタジアムを車窓から目にした。社会人1年目以来、2年ぶりの広島。新鮮な気持ちと、当時とは違う緊張感があった。
社会人屈指の長距離砲。広島の空に何本ものアーチを描くことが目標だ。積み重ねる1本1本の先には球団の新人記録更新がある。
1950年に樋笠一夫が放った21本塁打が最多。樋笠とは香川県坂出市出身という共通点がある。「存じ上げなかったです」と驚くと、表情を引き締め続けた。
「縁を感じる。それを超えるのが、坂出出身の僕であればいいと思います」
都市対抗・初戦の伏木海陸運送戦では、バックスクリーンへソロを放った。引っ張るだけではなく、中堅から右翼方向へ長打を打てるのも魅力。広角な打撃なら新人記録更新が見えてくる。
東洋大時代は控え選手。大阪ガス3年目の今年に才能が開花した。入団会見では、歩んできた道のりを振り返りながら思いを言葉に変える。
「順風満帆な野球人生ではなかった。努力をして、一瞬のチャンスをものにできればつかめる舞台だというのも伝えたい」。25歳で飛び込むプロの世界。遅咲きのスラッガーは力を込めた。