広島・大瀬良 敗戦でCS消滅の21日先発「個人のことは四の次」必勝の誓い
広島の大瀬良大地投手(30)が20日、先発する21日のヤクルト戦(神宮)で、逆転でのCS進出へ向けて勝利に導く投球を誓った。この日、巨人がDeNAに勝ったため、3位と3・5ゲーム差。21日に敗れると、CS進出が消滅する崖っぷちに追い込まれた。それでもエースは諦めない。“奇跡”へ望みをつなぐ。
リラックスした表情だった。神宮室内に隣接するグラウンドで、大瀬良はキャッチボールやダッシュなどで最終調整。これまで数々の修羅場をくぐり抜けてきた右腕は「いつも通りに」。重要な登板を前にしても気負いはなく、平常心だった。
この日、巨人がDeNAに勝ち、3・5ゲーム差に広げられた。21日のヤクルト戦に敗れると、CS進出の可能性が消滅する崖っぷちに追い込まれた。
だが、可能性がある限り諦めない。エースが力を込めた。「チームが勝っていけばというところ。とにかく勝って望みをつないでいくことだけを考える」。自身2年ぶりの2桁10勝が掛かる登板となるが、「個人のことは二の次、三の次、四の次くらい」と続けた。
神宮での登板は19年9月4日以来だ。2年ぶりに上がるマウンド。適応力が最初のテーマになる。今季からマウンドの土が変更され、これまでよりも粘土質の土になった。「硬くなっていると思いますし、その辺もうまく対応しながら投げたい」と力を込めた。
打線では村上を警戒。「抑えなきゃいけない」。今季は7打数2安打で打率・286。4番を勢いづけると、打線全体を活発化させることになる。一方で仕事をさせなければ自軍の士気が上がる。それだけに、相手の主砲にはギアを何段も上げて右腕を振る構えだ。
チームは10月は4連敗スタートながら、6連勝、3連勝と白星を増やしてきた。「(みんなが)ワンチャンスあるぞ、っていう思い」と右腕。若手が勢いをつけ、主力も存在感を示す。明確な目標が一体感を強くし、さらにチーム力をアップさせている。
19年は3位で最終盤を迎えたものの失速し、阪神に逆転を許して4位で終えた。追いかけられた当時の心境を思い出しながら「向こう(巨人)は嫌だと思う」と話した。
「僕たちは『当たって砕けろ』じゃないけど、一戦一戦やっていくだけ。力を合わせて頑張りたい」。ただひたすらに前を向いて突き進む。大瀬良が厳しい道のりを切り開く。