広島・野村「いい方向に向いてくる」1軍ローテへ意欲 初の開幕2軍決定的

 広島の野村祐輔投手(30)が早期1軍昇格を誓った。春季キャンプ中に右ふくらはぎを痛めた影響で現在も2軍での調整が続くが、患部に不安はない。プロ9年目で初の開幕2軍スタートが決定的となった右腕だが、悔しさをバネにシーズン途中からの先発ローテーション入りを目指す。

 悔しさを力に変える。早期1軍昇格を目指す野村は順調な回復を見せている。春季キャンプ第1クールで右ふくらはぎを痛め、早々に離脱を余儀なくされた。地道なリハビリに励み、3月には実戦に復帰。2度の登板を経て、いざ開幕と思われた矢先、列島全体がコロナ禍に見舞われた。

 チームはしばらく1勤1休が続いたが、毎回ブルペン入りするなど、投球感覚を養いながらじっくりと調整を続けた。「できることをやるしかない。出遅れていたので、それを取り戻すことを考えていました」と振り返る。

 「自分の形をしっかりと見つけることだったり、いろんな発見もできた」。フォームの確認や体のバランスを意識するなど、改めて自身の投球を見つめ直し、開幕延期期間を有効に活用した。

 6日の阪神との2軍練習試合(鳴尾浜)では4回を7安打3失点と打ち込まれた。それでも、納得いく球は「だいぶ増えてきている」という。「それを試合で投げられれば、おのずといい方向に向いてくると思う」とプラス思考で収穫と課題を口にした。

 6・19シーズン開幕から5日後の24日には31歳の誕生日を迎える。2016年は最多勝(16勝)と最高勝率の2冠を獲得し、18年は開幕投手を務めるなど、先発陣の柱として活躍してきた。しかし、プロ9年目の今季は初の開幕2軍スタートが決定的だ。

 開幕1軍を目指してきたが、現状を把握した上で「しっかりと自分の形というのを早く出していきたい」と前を向く。「常にローテで回ってられるのがベストですから」と悔しさをにじませながらも目標を修正し、シーズン途中からのローテ入りに意欲を示す。

 今季は120試合制でペナントを争う。例年よりも連戦を強いられる過密日程だけに、より投手陣の奮闘が求められる。通算71勝右腕の早期1軍復帰はV奪回への欠かせないピースだ。痛めた患部への不安は「ないです」ときっぱり。チームが苦しいときに救世主となるべく、万全の準備を整える。

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