広島・大瀬良「責任ある」 調整難でも開幕投手譲らん 登板曜日変更の可能性も…

 広島の大瀬良大地投手(28)が12日、改めて“開幕投手”への意欲を示した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で20日の開幕戦が延期となり、この日都内で開かれた12球団代表者会議で、新しい開幕日を4月10日以降とすることで合意した。先行きは不透明だが、来るべき日に合わせて調整を進める。

 青空の下で、大瀬良はキャッチボールやダッシュなど、登板前日のルーティンを黙々とこなした。13日のソフトバンク戦は、開幕へ向けた最終仕上げの舞台ではなくなったが、モチベーションは変わらない。調整の一段階と捉え、全力で右腕を振る構えだ。

 「やるべきことに変わりはないですね」。平常心で、シンプルな言葉を紡いだ。

 13日の登板を経て、中6日で20日の開幕戦に臨むスケジュールは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で消えた。新たな開幕日は、この日都内で行われた12球団代表者会議で早くても4月10日以降になることで合意した。

 最短でも当初の予定から3週間遅れ。同月10日の中日戦(ナゴヤドーム)で開幕すれば、金曜日のため調整はこれまで通りの等間隔で済む。だが、同14日の阪神戦(マツダスタジアム)になれば火曜日開幕。曜日が変わるため、練習試合登板など調整日程の変更を余儀なくされる。

 心身ともに仕上げの段階での開幕延期決定から、すでに難しい調整を強いられている。さらに登板曜日が変更となれば、さらなる負担がのしかかるが「最初に言われたので責任がある。どんな日程でも僕はいくつもりです」ときっぱり。開幕投手を譲るつもりはなく、大役を担う思いを口にした。

 開幕延期の猶予期間をプラスに変えている。前回6日の西武戦は5回3安打無失点。その試合でテーマにしたのがフォークの精度向上だった。一定の手応えをつかんだものの、10日のブルペンでは握りを変えて投げた。

 「今までは縫い目に指を掛けていたけど、掛けずにやってみようと思った。去年落ちなかった球が、今は落ちるんです。(日程が)延びたのもあってチャレンジできました。感覚的に良いものがあります」

 新しい開幕へ向けての調整は、決して簡単なものではない。それでもエースとしてチームを引っ張るために、やらなければ-と自覚する。「その日その日で準備できることを100%やっていくだけ」。大瀬良は真っすぐ前を見つめながら力を込めた。

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