カープ開幕投手の大瀬良 延期は「頭の片隅にあった」「次の登板へいい準備を」

 プロ野球の12球団代表者会議が9日、東京都内で行われ、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、3月20日に予定していた開幕の延期が決まった。開幕投手に指名されていた広島の大瀬良大地投手(28)は複雑な心境を吐露。早期の終息を願うとともに選手、ファンが一体となって以前のように野球がある生活に戻ることを願った。

 マツダスタジアムでの全体練習が終わり、ロッカールームにいるときだった。大瀬良はNPBとJリーグが合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第2回会合で、有識者から延期が望ましいという意見が出た事をスマホで知った。その後、12球団代表者会議で正式に決定。3月20日の先発が消滅した。

 「こればかりは仕方がない。(延期後の開幕が)決まったときに向けて気持ちと体のいい準備をしていきたい」。自身の思いはチームメートの思いでもある。それを代弁した。

 国内で新型コロナウイルスが広まった事を受け、2月26日に3月15日までのオープン戦全72試合の無観客試合が決まった。その後も感染の拡大は収まらず、開幕延期が徐々に現実味を帯び始めた。

 2リーグ制後、リーグ全体で開幕延期を決定したのは東日本大震災が起きた11年以来、9年ぶり2度目。右腕は「(延期が)頭の片隅にあった。どっちになってもいいように気持ちは持っていた」と明かした。

 昨年末に佐々岡監督から2年連続での開幕投手を告げられた。春季キャンプから調整は順調に進んだ。「状態はいいです」。6日の西武とのオープン戦では5回3安打無失点で無四球と好投。例年より順調な調整ペースを描いてきた。

 新たな開幕時期については、12日の代表者会議で話し合われる予定だ。まずは「次の登板へ向けていい準備をしたい」と右腕。13日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)の先発へ向け練習を続けていく。

 国難とも言える今回の出来事。大瀬良は「良い方向にいって少しでも早く終息してほしい。選手とファンが手を取り合って(選手は)野球ができるように、(ファンは)野球が見られる生活に戻れたら」。そう言って前を向いた。

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