FA丸、ロッテと初交渉「誠意感じた」4年総額20億円指導者手形提示された

 広島から国内フリーエージェント(FA)権を行使した丸佳浩外野手(29)が22日、都内でロッテと極秘交渉を行った。ロッテ側は山室晋也球団社長や井口資仁監督らが出席。丸の代理人を交えた約40分の交渉で熱意を伝えられたようだ。獲得に名乗りを上げている、もう1球団の巨人とは近日中に初交渉する予定だ。

 球界屈指のバットマンを巡る争奪戦がついに幕を開けた。丸がこの日、FA宣言後、初の他球団との交渉。自ら都内に出向き、獲得を目指すロッテとのテーブルの席に着いた。ロッテ側は球団首脳に加え井口監督が直接出馬。約40分の交渉で誠意と熱意を伝えられた。

 「ぜひ(ロッテに)来てほしいというお話をいただきました。誠意?当然、感じました。しっかりと考えていきたい」。午後4時半前。交渉を終え、東京から帰ってきた丸は広島駅で取材に応じ、言葉をつむいだ。

 ロッテは4年総額20億円の契約に加え、将来的な指導者のポストも用意しているとみられる。出席した井口監督から掛けられた言葉についての詳細は明かさなかったものの「いろいろと言っていただいた」。丸側からは練習環境面など具体的な質問をしたもようで、「今思っていること、疑問に感じていることは聞けました」と振り返った。

 今月7日に国内FA権の行使を表明した。15日の交渉解禁後は、19日に広島と再交渉。広島市内の球団事務所で鈴木球団本部長と約1時間、話し合った。「残留も視野に入れての行使。まずは自分のチームとしっかり話を進めてから」。広島側から提示された条件に変更はなかったが、あらためて宣言残留する可能性があることを強調した。

 ロッテに加え、この日オリックスを退団した中島の加入を正式発表した巨人も獲得に名乗りを上げている。5年総額35億円の大型契約を準備しており、丸の代理人には既に連絡済みで、交渉の日程は詰めの段階。「近いうちに。(場所や日時は)調整中」。23日は丸がマツダスタジアムでのファン感謝デーに出席するため、早ければ24日にも交渉が行われる可能性がある。

 19日の交渉後には「一日でも早く決断したいのは決断したいですけど、まだ両チームと会って直接お話を聞いていない。それをしっかり聞いた上で一日でも早く決断できればいいかなと思います」と話していた。揺れ始めた振り子の針。今オフの主役である丸の決断に注目が集まる。

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