丸、決勝のリーグトップ5号3ラン 天敵田口撃ち!三冠王へ突き進む

 「巨人2-3広島」(14日、東京ドーム)

 広島・丸佳浩外野手(29)が天敵を攻略した。三回に巨人・田口から右翼席へリーグトップの先制5号3ラン。チームは田口に昨年7月4日から4連敗中だったが、今季初対決で連敗を止めた。開幕から14試合連続出塁と好調が続く背番号9は、現在打率、本塁打ともにリーグ1位で、打点も1差の同3位。昨季のリーグMVPが、今年は三冠王へ突き進む。

 東京ドームの左翼席から左半分が赤く揺れた。三回、2死一、二塁の好機。3番・丸が狙い澄ましたように、田口の内寄りの直球を振り抜いた。打球は弾丸ライナーとなって右翼席へ。痛快な先制3ランで、天敵左腕を打ち崩した。

 「甘いところを振ろうと思っていた。真ん中に入ってきたところをしっかり捉えることができた。ジョンソンがいい投球をしていたし、先制点を取っていい流れにしたかった」

 連敗阻止へ、この夜は天敵撃ちが最重要課題だった。チームは昨季から田口に4連敗中。試合前、迎打撃コーチは「低めのストライクはオッケー。高めを捉えよう」とナインへ呼びかけた。打線は二回まで無得点。丸自身も初回の第1打席は空振り三振に倒れていたが、続く2打席目にきっちり結果につなげた。

 今、日本で最も投手を震え上がらせる打者だろう。開幕から14試合でリーグトップ5本塁打。シーズン51発ペースと打ちまくる一方で、19四球と選球眼も光る。この夜は3打数1安打2四球。打率・419、出塁率・603はリーグ1位。13打点も同3位につける。

 首脳陣も絶賛の嵐だ。緒方監督は「素晴らしいホームランを打ってくれた。今ものすごくいい状態」とうなずき、「タイミングがいい。ボールを長くゆったり見られている」と好調の要因を分析した。東出打撃コーチも「スライダーに合っていた。内角に突っ込んでくるという読みがち。あそこまでミーティングで言ったことを徹底的にできる選手はいない」と感嘆した。

 驚異の数字は勢いだけではない。試合中のベンチでは打撃コーチに球種、コースなど狙い球を伝えてから打席へ向かう。「しっかり自分の中で整理ができている」と丸。すべては準備のたまものだ。

 試合後は「こういうゲームを取らないと、なかなか優勝というのに結びつかない。これを続けていかないと意味がない」と再び表情を引き締めた。東京ドームは巨人ファンだった幼少時代に観戦へ訪れた思い出の球場だ。プロ11年目。今では広島の顔となり、優勝の味も知る。新井、鈴木を欠く中、昨季リーグMVP男が異次元の存在感を放っている。

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