中田、来季セットアッパー定着じゃ 脱便利宣言!!「打者を圧倒したい」

 広島・中田廉投手(27)が8日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1300万増の3300万円でサインした。将来的な目標に球速160キロを掲げ、来季のセットアッパー入りを宣言。レベルアップした右腕が球団史上初の3連覇、34年ぶりの日本一へチームに貢献するため強い覚悟を示した。

 約20分の交渉を終えた中田は引き締まった表情で会見に現れた。3年ぶりのアップとなる1300万増の3300万円で更改。復調した今季に満足感を覚える一方で、来シーズンはさらなる高みを見据えている。求めるのは、相手の戦意をそぐような圧倒的な力のある投手だ。

 2年間ケガに苦しんだが、復活した今季は53試合に登板して2勝4敗で防御率2・70。満塁や得点圏に走者を置いた場面で多く起用され、何度もピンチを救った。ただ、同点やビハインドでの登板が多く、リードしている展開で抑えた場合に記録されるホールドの数はチーム5番目の13にとどまった。

 いつまでも便利屋のままではいけない。目指すのはセットアッパー定着。今シーズンは主にジャクソン、中崎、今村が勝利の方程式を務めた。「出てきたら(相手に)ダメだなと思わせるくらいの力をつけたい。(打者を)圧倒したい」と力強く話した。

 「気迫で投げていましたし、本当に球もえげつない球を投げていた。参考になる。真っすぐを投げても前に飛ばなかったので、ああいうところを目指したい」

 理想とする投手像に自主トレを共にする前田(ドジャース)の姿がある。今季のポストシーズンでは中継ぎとして9試合に登板し、1失点で防御率0・84。中田はその投球をテレビで観戦。相手打者を寄せつけないたくましい姿に感銘を受けた。

 常に進化を求める右腕。将来的には、今よりも10キロ速い最速160キロが目標だ。「みんなにはバカにされるんですけど、無理じゃない数字だと思っている。野球選手である以上は高みを目指したい」と真剣なまなざしで語った。

 揺るぎない覚悟がある。真価が問われるプロ10年目。「気合ではなく技術で11球団の強打者を抑えられるように、1分1秒を大切にしたい」。リーグ3連覇、日本一へ。一回りも二回りも成長した姿でチームを勝利へと導いていく。

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