安部三塁がっちりつかむ 初規定打席到達も不完全燃焼「全試合三塁で出場」

 「広島秋季キャンプ」(14日、日南)

 広島の安部友裕内野手(28)が14日、来季三塁で全試合出場を果たし、正真正銘のレギュラーの地位を築くことを誓った。今季は10年目で初めて規定打席に到達したが、死球を受けた影響でシーズン途中に戦線離脱。その悔しさから、16日に始まる湯布院リハビリキャンプへの参加を辞退し、日南での秋季キャンプで練習漬けになることを選択した。さらなる飛躍へ向け、実りの秋にする。

 サブグラウンドに安部の声が響き渡った。「地道の積み重ね」。玉木内野守備走塁コーチのノックを軽快な足さばきで受ける。そして100球目を処理すると、右手を高く突き上げた。11年目を迎える来季へ。覚悟と自覚を持ち、秋季キャンプに臨んでいる。

 「キャンプでもう一度、感覚を取り戻したいというのがテーマ。バットを振り込むことだけでなく、体を動かしながら。まだ感覚的には違うかなという感じがある」

 今季はプロ入り10年目で初めて規定打席に到達。チームトップの打率・310を記録したが、右ふくらはぎに死球を受けた影響で9月26日に出場選手登録を抹消された。レギュラーシーズン残り4試合としたところで無念の離脱。その後、懸命なリハビリを重ね、CSファイナルS第4戦には間に合ったもののチームはDeNAに敗れ、日本シリーズ進出を逃した。

 不完全燃焼で終わった今季。休んでいる暇はない。16日からは大分県由布市で、活躍した主力やベテランが参加する湯布院リハビリキャンプが行われる。温泉につかり、疲労した体を癒やす球団からのプレゼントだが、安部は辞退を申し出たという。「(右足を)手術したこともあったので、もう少しやりたい。しっかり体を動かして本来の状態に戻るように準備したいと思っている」。キャンプ地の日南に残り、21日の打ち上げまで練習漬けの日々を送る。

 守備の課題にも取り組んでいる。123試合の出場中91試合で三塁を守り、8失策で守備率・964。不満の残る成績に「球際が課題。グラブに当たったら全部捕る。守備に上限はないので、やるだけ」と気迫を込めた。ただ玉木コーチは「捕ってからのスローイングはいい。これまでは慌てる癖があったが、試合で経験を積むにつれて安定感が出てきた」と説明。成長しているのは間違いない。

 安部にとって来季は真価の問われる1年だ。「まだまだレギュラーだという気持ちはない。規定打席に到達したが、それよりも全試合三塁で出場したいというのはある」。妥協なき姿勢を貫き、鍛錬の日々を過ごす。

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