田中広輔、持ち味発揮3戦連続初回得点 広島連勝ストップも…本拠地でM減らし再開だ

 「阪神5-4広島」(17日、京セラドーム大阪)

 広島・田中広輔内野手(28)が4打数2安打2盗塁の活躍でトップバッターの役割を果たした。今カードはすべて初回に出塁し、先制のホームを踏んだ。盗塁数は27個となり、初の盗塁王へまっしぐら。チームはサヨナラ負けで連勝は「4」でストップ。優勝へのマジックナンバー「26」のままだが、18日から本拠地に帰って仕切り直しだ。

 敗れはしたが敵地でもスピード感あふれるカープ野球を貫いた。プレーボール直後から1番田中が体現した。初回、先発岩田の立ち上がりを見極め、四球をゲット。1死から二盗を決め、ポイントゲッター丸の先制打に結びつけた。

 「今日に限らずいつも通りです。変わったことはしていません」

 サラリと言ったその言葉通り、2位阪神との大阪決戦ではすべて初回に出塁し、先制のホームを踏んだ。六回の同点劇も1番田中が起点だ。先頭で鮮やかに左前打を放つと、菊池の左前打、丸の四球で満塁の好機をつくり、鈴木の犠飛、岩田の暴投、さらに7番安部の同点打を呼び込んだ。3点ビハインドもしぶとく追いつく展開に「自分たちの野球はできた」と一定の手応えを口にした。

 練習時間が限られるビジターでも、準備に抜かりがない。この日は全体アップ終了後、両足にゴムチューブを巻き付けて、俊敏性を高める動きを1人黙々と繰り返した。場所を問わず、いつだってアグレッシブ。それが盗塁数にも表れている。今季はすでに27個、昨季28個を大きく上回るペースだ。勢いのまま走った昨季と違う。経験を生かしながら、初の盗塁王のタイトルを視界に捉えている。

 チームの連勝は4で止まり、優勝マジックも26のまま。だが試合後のナインに悲壮感はない。緒方監督も「本当に中盤までいい攻撃をしてくれた」とうなずいた。18日からは本拠地マツダスタジアムに戻って、ヤクルトを迎え撃つ。ツバメを狩り、リーグ連覇へのカウントダウン再開だ。

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