誠也のド根性!自打球激痛も激走三塁打 カープ4番の意地で患部に“気合”

 「交流戦、楽天2-1広島」(10日、Koboパーク宮城)

 激痛に珍しく表情をゆがめた。二回の第1打席。広島・鈴木誠也外野手(22)は楽天・美馬の内角シュートをフルスイング。自打球を左足甲にぶつけ、その場に倒れ込んだ。トレーナー、石井打撃コーチが心配顔でベンチを飛び出す。球場が騒然とする中、鈴木は驚きの行動に出た。左足裏を地面に3度たたきつけて気合を注入。ど根性で打席に戻った。結果は空振り三振に倒れたが、次の打席で4番の意地を見せた。

 「打ったのはカットボールです。先制点につながるいいヒットになりました」

 0-0の四回。2死二塁の好機で、仕事を果たした。痛めた左足を踏み出し、バットの芯に乗せる。打球が左中間フェンス最上部に直撃すると、二塁を蹴って三塁へスライディング。左足の影響を感じさせない全力疾走で不安を一蹴。リーグトップを独走する節目の50打点目を挙げた。

 周囲もホッと一安心だ。石井打撃コーチは「その後しっかり打ってくれた。自分で気合を入れとったね」と胸をなで下ろした。鈴木は試合後も患部を気にする様子はなく「大丈夫」と話した。1点を追う九回2死二塁の場面は中飛に倒れたが、4番への信頼は日ごとに高まる。11日の楽天の先発は岸。難敵だが、4番がバットで勝利を呼ぶ。

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