新井意地弾!カープ最年長開幕4番燃えた 自身初の開幕アーチ
「広島6-10阪神」(31日、マツダスタジアム)
セ・パ両リーグが同時開幕し、リーグ連覇を狙う広島は、3年連続の黒星スタートになった。「4番・一塁」でスタメン出場した新井貴浩内野手(40)が、自身初となる開幕戦での1号ソロを放った。40歳での開幕4番は、球団史を塗り替える最年長記録。第2戦も快音を響かせ、チームを今季初白星へと導く。
ゆっくりとロッカーへ続く階段を上がると、足を止めた。3万1184人が詰めかけた一戦。3年連続の黒星発進となったが、1試合が終わっただけ。新井は振り返ることなく、次戦を見据えた。
「負けたから143分の1が終わったと考える。またあしたです。試合に向けて準備をしたい」
「4番・一塁」でスタメン出場。4-8の七回に魅せた。桑原の高めに浮いたスライダーをとらえると、左中間席に突き刺した。初回2死一塁では左飛。五回2死満塁で巡ってきた絶好の場面でも空振り三振に倒れた。「ミスショットが多かったので、ようやくとらえることができた」。通算307本目の本塁打は、19年目で自身初となる開幕弾だ。
3年連続の本拠地開幕で、球団史にまた一つ名前を刻んだ。開幕4番に座るのは、阪神時代の12年以来5年ぶり。広島では07年以来10年ぶり。40歳での4番は、86年・山本浩二が39歳で務めた最年長記録を更新するものだ。
広島で生まれ、育った。ミスター赤ヘルは、新井少年にとって憧れの存在だった。プロとなり、カープのユニホームを着て出会ったのは、2度目の監督に就任した01年。「監督というよりも、あっ、山本浩二だと思った」と当時を振り返ると「最年長更新?ピンとこない」。我慢強く自身を起用し、球界を代表する選手まで育ててくれた。恩師への感謝の気持ちは尽きることがない。
打線は中盤以降に反撃開始。8-1の六回に3点を返すと、その後も点差を縮めた。緒方監督は「粘り強く、うちらしいつながりがある攻撃ができた。みんなに1本が出ているし、ノー感じな人はいなかった。またあした。地元で開幕戦をしている訳だから、最後は並んで(勝利の列を作る)で終わりたい」と力を込めた。
「何点差あっても、最後まで諦めない姿勢を貫いていきたい」。新井は力強く言葉を結んだ。戦いは始まったばかり。前だけを向いて、グラウンドに立つ。



