ドラ1加藤、また0封 いけるぞ開幕ローテ

 「練習試合、広島12-7サムスン」(28日、コザしんきんスタジアム)

 広島のドラフト1位・加藤拓也投手(22)=慶大=が開幕ローテ入りへ大きく前進した。2番手で登板し、3回1安打無失点。最速147キロの威力ある直球を軸に圧巻の投球を披露した。これまで紅白戦を含む実戦で計9イニングを投げ無失点。し烈なローテ争いが続く中、徐々にその存在感が大きくなりつつある。

 胸を張ってマウンドを降りる姿に、手応えを漂わせた。加藤が今キャンプ最後の対外試合に登板した。最速147キロの直球を軸に、テンポ良く投げ込んだ39球。3回を1安打無失点に抑えた。

 「ゼロで抑えられたのは良かったが、ボールが上ずってしまったところは課題。前回は浮足立ってしまったところがあった。今日は落ち着いて投げることができ、初球の入りであったり、全球種ストライクゾーンに投げ込めた」

 四回に2番手として登板。1死から中前打で走者を背負ったが、焦らなかった。投球動作前にスタートを切った一走をけん制で挟みタッチアウト。続く打者を中飛に打ち取ると、勢いに乗った。

 課題として振り返ったのは五回だ。先頭を高めのフォークで空振り三振。続く打者も追い込んでからフォークで遊ゴロに仕留めた。安打は許さなかったが「もっと低めにワンバンでも勝負できるくらいのカウントだった。体が突っこんだというか高めにいってしまった」と反省した。六回も無失点に抑えて降板した。

 実戦経験を積むたびに安定感が増している。2四球を与えた24日のロッテ戦(コザしんきん)では、ボール先行となり制球に苦しんだ。この日も四球は1つ与えたが、制球面での修正を感じさせた。

 ここまで存在感を存分に発揮しているルーキー。紅白戦を含む実戦登板は、これで計4試合9イニングを無失点。「ゼロで抑えられているという事実よりは、自分の納得できる球が多く投げられているほうがいい傾向だと思う」と結果だけに満足していない。

 開幕ローテ入りへ。ライバルとなる福井、大瀬良は故障のため出遅れている。緒方監督は「しっかりと投げられていた。そこ(開幕ローテ入り)に向けてやっている。いいものを見せてくれたら近づいてくるのではないか」と期待した。

 ただ、加藤に浮かれた気持ちはない。「ローテに入りたいから頑張ってきたわけではない。結果的にそういうことになればいいことなので、目標とはしていない」。無欲のルーキーは、計り知れない可能性を見せる。

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