新井で今季最大10差 V率100%

 「DeNA6-13広島」(3日、横浜スタジアム)

 広島の新井貴浩内野手(39)が2試合連続本塁打を含む4安打5打点の活躍で勝利に導いた。一回に7号3ランを放つと、四回に二塁打、七回に左前打、九回に2点左前打の固め打ち。主砲の活躍に刺激を受けたチームは、今季タイの17安打で今季最多の13得点。前日左肩を痛めた影響で欠場した菊池涼介内野手(26)の穴をカバーした。これで5カード連続勝ち越し。2位・中日とのゲーム差は10となった。

 手に残る心地良い感触で確信した。新井の手から離れたバットが、美しい弧を描いて宙を舞う。「行ったと思った」。赤く染まる鯉党が陣取る左翼席へ突き刺す7号3ラン。敵地での勝ち越しをもたらしたのは、主砲の一発だった。

 1点を先制した直後の初回2死一、三塁で、高めに浮いたチェンジアップをフルスイングした。昨年の8月以来となる2試合連続本塁打。いきなりのビッグイニングでチームの士気を一気に押し上げた。

 四回は右翼線を破る二塁打。七回には左前に運び、前日に続きサイクル安打に王手を掛けた。それでも「全く意識はなかった。何点あってもこの球場はわからないから」。さらに九回は勝負強さを発揮する左前2点適時打で試合を決めた。2試合連続猛打賞となる4安打5打点。緒方監督は「最初から最後までよく打ってくれた」と最敬礼した。

 昨季は夏場を前に状態は下降線をたどった。オフには同じ轍(てつ)を踏まないため例年以上に筋力トレで体を追い込んだ。休養日が設けられることがあるものの「去年はこの時期にガクッと落ちた。でも今はトレーニングが続けられている。体力のベースが全然、違う」とキッパリ。「本当の勝負」と位置づける、球宴明けからの戦いを見据えたコンディション作りも着実に進められている。

 ベテランの奮闘に呼応して若鯉も跳ねた。気温30度超の真夏日でもお構いなし。下水流が2本塁打を放ち、丸、鈴木、松山らも快音を響かせた。今季チーム最多タイの17安打で今季最多得点となる13点。負傷で菊池が欠場したが「みんなで力を合わせてね」と新井。主力の不在を感じさせない、カープの底力を示してみせた。

 チームは5カード連続で勝ち越しを決め、2位・中日とのゲーム差をついに「10」まで広げた。過去2位と10ゲーム差以上をつけた1979年と80年はいずれも日本一に輝いた。優勝確率は100%。だがベテランは浮かれることなく「目の前の一戦、一戦に集中して頑張っていくだけ」と言い切った。最高の笑顔の花を咲かすまで、手綱は緩めない。

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