「阪神０-３広島」（１５日、甲子園）

　執念のリレーが結実した。広島が４投手による完封リレーで前半戦を締め、畝投手コーチは「皆がいい投球をしてくれた」と目を細めた。先発が５回持たずに降板した試合は今季９戦目で初勝利。これまで苦しんできた継投が、ズバリと決まった。

　ドラフト２位・薮田（亜大）は６四死球と制球に苦しみながら４回２安打無失点。緒方監督は「０点でよくいった。もう１回投げさせるか考えたが、球数がいっていたから」と、継投を選択した。

　２番手の戸田は２回を無失点で切り抜け２勝目をマーク。五回２死一、三塁では、上本を空振り三振。「どんな形でもゼロで抑えたかった。後半戦へいいアピールをしたかった」と、胸を張った。

　３番手の大瀬良も２回無失点。ピンチを抑えても感情を出さない新スタイルで「状態は上がっている。自分の球を投げられれば大丈夫」と、今後を見据えた。７試合連続無失点投球に、畝投手コーチは「役割に慣れ、体も開かなくなった」と成長を認めた。後半戦も中継ぎで起用される。

　中崎は九回１死一、二塁で福留を二ゴロ併殺打に抑え、１２セーブ目。５敗を喫しているが「ボール自体は悪くない。負けた分を後半戦に取り返したい」と前を向いた。

　勝負の夏へ継投の頭数はそろってきた。前半戦の苦い経験を生かす、下地は整った。