野村采配ズバリ!打線変更で首位再浮上

 「広島4-3中日」(11日、マツダ)

 広島・野村謙二郎監督(46)の打線組み替えが的中した。今季初めて「1番・遊撃」に木村昇吾内野手(33)を、キラ・カアイフエ内野手(30)を主軸から6番に降格させた起用が奏功。3連敗を免れるとともに、再び巨人と並んでの首位に立った。指揮官は「僕は憎まれ役になってもいい」と、勝利最優先の采配を振る覚悟だ。

 勝利の儀式。ハイタッチを交わしながら、野村監督はナインを誇らしげに見つめた。

 木村の「1番・遊撃」が当たった。五回の守備だ。バリントンが3失点で追いつかれ、なお2死三塁。ルナの打球はゴロで三遊間を襲ったが、木村が左膝を折りながら逆シングルキャッチ、即座に左足で踏ん張り一塁送球。間一髪で危機を脱した。

 直後の攻撃は先頭で川上の変化球を捉え、右中間を破った。三塁に滑り込み両手をたたいてチームを鼓舞。続く菊池の中前打で勝ち越しのホームを踏んだ。

 指揮官は「木村が大きい。張り切っているね。(三塁打は)ホームまでかえってくると思ったよ。オレをスタメンで使え、という目でいつも見てくるから。本当に助かる」と賛辞を惜しまなかった。

 打撃が低調だった選手会長・梵に代わる起用。今季初の1番に、木村は「気持ち良くないと言えばウソになる。やれることをやろうと思った」と、胸を張った。

 そして、主砲キラを昨年7月に途中入団して以来、初めてクリーンアップを外し、6番に入れた。指揮官は「僕はキャンプから、調子のいい人を使うと言っている。キラも『クソッ』と思えば打つしかない。勝てたという事実が、われわれを成長させる。僕は憎まれ役になってもいい」と言葉に力を込めた。

 キラは四回1死二、三塁から川上のカーブを右前に運び、2者が生還。「最低でも犠牲フライと思っていた。最高の結果で良かった」。5試合ぶりの打点で、意地を見せた。

 チームは首位に再浮上したが、得点はリーグ最少の40。指揮官は「毎日頭が痛い。これで勝てるのは投手のおかげ。でも野手とは持ちつ持たれつだから」と苦笑いした。苦しい状況の中で、勝利のための最善策をとる。タクトに迷いはない。

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