マエケン初勝利!3カード連続勝ち越し

 「広島1-0DeNA」(6日、マツダ)

 広島・前田健太投手(25)が、8回5安打8奪三振無失点で今季初勝利を手にした。最速151キロ直球を軸に変化球も自在に操り、DeNA打線を封じた。チームは1987年以来、27年ぶり、平成に入ってから初めて開幕から3カード勝ち越しを決めた。巨人が敗れ、首位に並んだ。この勢いで、8日からの首位攻防戦も制してみせる。

 青空の下で笑顔がはじけた。地元初登板での今季初勝利。前田がベンチ前でナインを出迎える。「最高です」。タッチを交わしながら白い歯がこぼれた。

 「(6回2失点だった)開幕戦がふがいなかった。マツダで勝つのは一番、気持ちいい。たくさんお客さんが入って気持ちがいい」

 ファンの声援に応えたかった。心からの、とびきりの笑顔だ。

 初回を無失点発進。二回は無死一、三塁のピンチを背負った。だがバルディリスを三ゴロ。1死一、二塁からは多村をツーシームで三ゴロ併殺に打ち取った。「うまく乗り切れた。いい流れ。普通の投球をすれば勝てる」。あとは「自分の投球」をするだけだった。

 1‐0の八回1死二塁では金城、石川を封じた。98球。完封目前にも「球数以上に疲れがあった」とこの回で任務完了。「1‐0は誰でも難しい。よく投げてくれた」と野村監督。8回5安打無失点で今季初勝利だ。

 投球の幅を広げるため、春季キャンプからスプリットの習得に挑戦した。だが、落とそうする意識が強すぎ「上から投げすぎていた」と畝投手兼分析コーチ。試行錯誤の投球が続いていた。

 開幕前最後の登板となった3月21日のオープン戦、ソフトバンク戦で本来の姿を取り戻した。スプリットを減らし6回1失点。畝コーチは「一番投げやすい形。去年の感じに戻っていた」と目を細めた。この日もスプリットは封印。最速151キロ直球にツーシーム、スライダー、チェンジアップなどで「普通の投球」を披露した。

 先発した3日のヤクルト戦は一回裏終了で降雨ノーゲーム。この日も練習中に雨脚が強まった。「雨男」。それでも「できると分かっていた」と集中力を高めた。

 27年ぶりに開幕から3カード連続勝ち越しを決めた。お立ち台では「優勝するぞ」と声を張り上げた。「チームが変わってきているのは間違いない。負けているもの(歴史)を変えていきたい」。23年ぶりの頂点を目指す野村鯉。そのエースがしっかりと第一歩を踏み出した。

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