マエケン「いい感じ」6回7K開幕デモ

 「オープン戦、ソフトバンク1‐1広島」(21日、ヤフオク)

 広島の前田健太投手(25)が最終デモで万全の仕上がりを披露した。オープン戦最後の登板となったソフトバンク戦で6回を投げ、1失点と好投。最速148キロの直球、伝家の宝刀スライダーも切れ、7三振を奪った。開幕まであと1週間。28日の中日戦(ナゴヤドーム)で2年ぶり4度目の開幕投手を務める絶対エースに不安はない。

 試合を振り返った言葉の一つ一つが、確固たる自信に満ちていた。開幕前の最後の登板。オープン戦最高打率を誇る鷹打線相手に、6回を投げ、6安打1失点。前田は「内容も結果もよかったと思う。いい感じで投球できた」とさらりと語った。

 シーズン本番さながらの力強いマウンドさばきだった。一回は今宮、李大浩を三振に仕留め、二回も2奪三振。その後も積み重ね、7三振を奪った。「今日は狙って三振を取れたし、よかった。ピンチで三振を取りにいった場面もあったし」と白い歯を見せた。

 仕上がったのは投球だけではない。三回、自らの悪送球から1死三塁のピンチを迎えた場面だ。今宮への3球目、意表を突くスクイズに反応した。「打者と走者を見て外した」。瞬時の判断でスライダーを高めに投げ、スクイズは空振り。三塁走者を挟殺プレーでアウトにし、無失点で切り抜けた。

 シーズンでも、スクイズを仕掛けられる場面は必ずある。しかし今回はオープン戦で、しかも序盤の二回。さすがに「頭になかった」と苦笑いを浮かべながらも、「1点を奪いに来る攻撃に対処できた」と、試合勘も万全であることを確認できた。

 新球のスプリットは3球程度投げたもようだ。ただ報道陣には「投げていない」とにやり。「自分のやりたい投球を相手に分からないようにしたい。隠すところは隠せばいい」。果たしてシーズンでも投げるのか。手の内を明かさないことで、他球団を幻惑したい思いがあるようだ。

 試したいことはすべて試すことができた。あとは開幕を待つだけだ。野村監督も「いい調整ができている」と文句がない。「優勝のためにもいいスタートを切りたい」と力強く言い切った前田。23年ぶりの悲願へ、今年こそ絶対エースが導いてくるはずだ。

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