マエケンが開幕投手!異例の早期指名

 広島の野村謙二郎監督(47)が31日、キャンプ地の宮崎県日南市入りし、中日と対戦する今季開幕戦(3月28日・ナゴヤドーム)の先発投手に、前田健太投手(25)を指名した。キャンプ前に野村監督が開幕投手を公言するのは異例。3年目の野村祐輔投手(24)も名乗りを上げていたが、指揮官は23年ぶりの優勝を目指す今季の初戦を絶対的エースに委ねるつもりだ。

 監督として5回目となる春季キャンプを前に、異例の明言だった。「開幕投手が決まっているが、まだ伝えていない。エースが当然行くでしょう」。日南市内の宿舎でのミーティング後、野村監督が指名したのはエース、すなわち前田だった。

 今季の開幕は3月28日の中日戦。今季3年目を迎える野村も1月の自主トレで「誰もが目指す場所」と開幕投手に名乗りを上げていた。これに対して野村監督は「昨年2桁勝って、自信をつけているからそういうコメントになったんでしょう」と歓迎したが、「最高のスタートを切るためにもエースが一番」と前田に開幕投手を任せる考えに揺るぎはない。

 指揮官の指名に、前田は素直に喜んだ。「早めに言ってもらえるのはうれしいこと」と笑顔。無事に開幕を迎えられれば自身2年ぶり4度目の栄誉となるが、「それだけ信頼してもらっていることだし、務められるようにしたい。ケガをして務められないというのは避けたい」と力強く語った。

 後輩の野村の開幕投手発言については前田も大歓迎だ。「チャンスは(WBCの影響で開幕投手を回避した)去年しかなかったね。去年言ってればバリントンじゃなくて(野村)祐輔だったかもしれないのに」といたずらっぽく笑いながら「今までそういうことを口にするヤツじゃなかったのに、いいことだと思う。もっと僕にプレッシャーをかけてもらいたい」と受けて立つ覚悟だ。

 昨年の2桁勝利カルテットの1人、大竹が巨人にFA移籍した。だが今季は新人の大瀬良や九里が加入したことで、戦力低下を防げるかもしれない。「イキのいい若い投手も入ってきたし、競争意識を高く争ってもらいたい」と野村監督。春季キャンプでは絶対的エースの前田に対抗する戦力の出現を期待する。

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